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2002/10/19(土)

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この「妄想断片の倉庫」は今まで「3日更新1日休み」という更新ペースでやって来たが、さて、これからどうしようかと迷っている。サイト運営もほとんど落ち着いて、もうあまり激しい変更はないだろうし、新奇新規作品のリリースだって、せいぜい翻訳物を数ヶ月に1回出せる程度だろう。そうすると、結局ここに書くネタもなくなるわけで。いや、妄想は書いたはしからアップするけど。

そもそも「妄想断片の倉庫」を作ったときは、こんな頻繁な更新をするとは思ってなかった。だいたい2〜3週間に1回くらいなら、書くことがあるかなー、てな感じ。それが何で、こんな更新頻度の激しいコンテンツになってしまったのやら……。

ただ、「3日更新1日休み」というリズムは、けっこう保持しやすいということは確かだ。毎日更新だとさすがにきつすぎるが、ちょうどいいところで休みが入るので、そこで燃料補給できたりする。で、それが次の3日間のネタになったりならなかったり。さらに、ネタが無くなってくると「ああ、更新のために妄想でも書かねばっ!!」というムチが入ったり。いい意味でプレッシャーになっている部分もある。

うーむ、もうちょっとこのペースで行ってみるか……。

ちなみにこういうの(↑)を「ネタがないのをネタにする」とか言うらしい。っていうか、これもしかして、2回目……?(汗)

あ……カウンタが 10000 超えてる。おー、ついに5桁だぁ (^o^)。

えぇと、1万、壱万、イチマン、いちまん……駄目だ、何も思いつかん。せめて 101 とかなら……いや、それは某米国企業からオニのようなクレームがつきそうだな(見てねぇよ、こんなとこ)。それに 101 じゃなくて 10000 だ。あうー、そうだ「1万年前の獣姦」、これでどうだ。


弟の身体は見つからなかった。最も危険な谷の、一番奥の崖から落ちたのだ。だから仕方のないことだ。そう思って『黒髪』はなんとか納得しようとした。

だがまともに埋葬してもらえず、まじない師がおっかなびっくりに谷に捧げものを放り込んでおしまいというのでは、あんまりだ。それに、捧げものも少なすぎる。あれでは、弟の魂が飢えてしまう。飢えて、『牙神』になってしまうかも知れない。そもそも『人喰い谷』まで遠出しようと言い出したのは、長の『長顎』だ。もっと捧げものを奮発してもいいのではないか。いや、それよりも、弟を捜しに人をやってくれれば……。

「そこにいたか、『黒髪』」

振り返ると、たき火の明かりを背に『長顎』が立っていた。

「どうしたの? 弟が見つかったの?」あり得ないと判っていても、訊かずにはおれなかった。

『長顎』は首を振った。「だめ。『槍投げ』、見つかってない。探すのは、もう終わった。お前の弟、いない」

「そう……」

わかってはいたものの、『黒髪』はがっかりして、視線を落とした。生っ白い自分の乳房が揺れた。この胸が膨らんできたとき、弟にさんざんからかわれたっけ。あのころ、弟はすでにその強肩から『槍投げ』と呼ばれていた。だがその強肩も、見通しのきかない森の奥深くでは、役に立たなかった。見晴らしのいい草原だったなら、弟は 100 歩離れたところからでも獲物を仕留めていただろう。無理に回り込もうとして、谷へ落ちることもなかっただろう。

「『黒髪』、そんな、がっかりするな」『長顎』は言った。「『槍投げ』、強い狩人だった。父親の『岩投げ』も強かった。『黒髪』、おまえの息子も、きっと強い」

「強い男の息子なら、強いかも知れないわね」

皮肉のつもりで『黒髪』は言った。『長顎』が長をやっているのは、単に一番長生きしているからにすぎない。一番長生きできたのは、狩りではいつも安全なところにいたからだ。ただし「臆病者」と言われないように、必ず3番手か4番手くらいの位置にいて、仕事をしているように見せていたが。

だが『長顎』が臆病者でたいして強くないということは、周知の事実だった。実際、『長顎』に妻が出来たのは長になってからだし、長になれなかったら、けっしてどの女も妻になろうとはしなかっただろう。その最初の妻も、『長顎』の子供を1人産んだ後、病気で死んでしまっていた。その後、『長顎』に妻はいない。

長がこんな臆病者でなかったら、弟は死なずにすんだかもしれない。長が臆病だと、他のものも臆病になる。みんなが臆病になると、獲物が少なくなる。他の部族とも競り合えなくなる。草原の狩り場も、最近はどんどん他の部族に取られてしまっていた。だから、危険な『人喰い谷』なんかへ狩りに行かなければならなくなったのだ。

「『黒髪』……」『長顎』は窺うような上目遣いで言った。「おまえの息子なら、きっと強い。おまえ、『岩投げ』の娘だ。『槍投げ』の姉弟だ。おまえの息子も、強いはず」

「だから?」

「あ……あの……『黒髪』、俺の妻になれ」

『黒髪』は唖然とした。肉親が死んだばかりの女に申し込むなんて!! 死んだ者の魂が墓から抜け出して、取り憑くかも……いや、弟の墓は、無い。弟の魂はあの『人喰い谷』の底だ。だからこの臆病者は、のうのうと求婚しているわけだ。

「お、俺の、俺の妻は、長の妻だ。おまえ、長の妻になれる」『黒髪』の怒りを敏感に察したのか、『長顎』は懐柔策に出たようだった。「長の妻、ほかの女より、いい。食い物、多い。『黒髪』、たくさん食べて、強い子供、産め。『岩投げ』より強い男、産め。『槍投げ』より強い男、産め。どうだ。『黒髪』、どうだ」

「嫌よ!!」『黒髪』は爆発した。「あんたみたいな臆病者の妻なんて、絶対に嫌よ!! 弟はあんなに強い狩人だったのに、あたしに弱虫の妻になれって言うの? 弟の魂が怒って吠えるわよ!!」

「『槍投げ』の魂、ここにいない」『長顎』は小狡そうに笑った。

「だったら、あたしが連れてきてやるわよ!!」

言い捨てて、『黒髪』は洞窟を走り出た。深夜に洞窟の外にでるなど、正気の沙汰ではない。だが『黒髪』は猛烈に怒っていて、そんなことは歯牙にもかけなかった。弟を連れてきてやる!! たとえ死んでいたとしても、その腕一本でも、指一本でも連れ帰って来てやる!! 弟を連れてきて、ちゃんとした墓を作らせてやる!! それでも『長顎』は、自分に求婚する度胸があるだろうか。あるわけが無い。あんな臆病者!!

どれだけ走ったことか、気がつくと『黒髪』は森の中を打ち身だらけでよろめいていた。『人喰い谷』につづく、『髭の森』だ。

どこかで狼の遠吠えがした。

我に返って、『黒髪』は慄然とした。なんと思慮のないことを!! いくら怒りに我を忘れていたからと言って、こんな夜更けに森に入るとは。いつ死んでも不思議ではない。

『黒髪』は辺りを見回した。うかつに動くのは、危険だ。夜が明けるまで、なんとかしなくては。もちろん、森の中に一人きりという状況では、夜が明けたところで危険なことに変わりはない。だが夜間はもっと危険なのだ。

とりあえず手近な木に登り、地上から離れたところに居場所を定める。これでもどれだけ安全かわからないが、地面にいるよりはましだろう。

木の枝にうずくまって、『黒髪』はじっくりと考えた。いいや、このまま部族の元に帰るのは論外だ。『長顎』がまたちょっかいをかけてくるに決まっている。他の部族に逃げてしまおうか? それにしたって、自分の部族の縄張りを通らなければならないし、そうすれば『長顎』に見つかる可能性もある。いいや、初志を貫徹するのだ。『人喰い谷』に降りて、弟の遺体を探すのだ。帰るのは、その後でいい。

空が白けてくる頃になると、『黒髪』の決意は揺るがないものになっていた。

周囲がじゅうぶん明るくなると、『黒髪』は木を降りた。途中、手頃な枝を折り取って、槍の代わりにする。何もないよりはマシだ。

谷に降りるには、弟が落ちた地点からずっと森の奥まで入らなければならなかった。いつ恐ろしい獣どもに襲われるかと気が気でなかったが、奇跡的にも肉食獣には一頭も出会わずに、谷への降り口まで辿り着き、谷の底へ降りきった。

その頃には既に太陽が高く昇って、谷の底をくまなく照らし出していた。ツいている。谷の底は、木々が点在する草原のようになっており、この状態なら弟を……弟の遺体を見つけるのも、早いだろう。昨夜のうちに、獣どもに喰われてしまっていなければ、だが。

槍代わりの木の棒を身体の前に構え、『黒髪』は慎重に歩を進めた。『人喰い谷』の名は伊達ではない。ずっと昔、『黒髪』が生まれる前は、ここは『牙神』の巣だったと父から聞いたことがある。その後、『牙神』はいなくなったが、替わりに狼の群れが居着いた。その狼の群れも今はどこか他へ移ってしまったが、それでも『人喰い谷』は『人喰い谷』として、部族の畏れを受けている。実際、狼がいなくなった後、どんな危険な獣がここを巣にしているか、わかったものではない。

谷の奥、弟が落ちた地点に近づいた頃、何物かが草を掻き分けながら近づいてきた。

『黒髪』は、ぴたりと動きを止めた。

あたりを見渡して、彼女は舌打ちした。このあたりは草の株もまばらになってきていて、充分な隠れ場所がない。一番近い木は……『黒髪』の周囲にはない。向こうの方におあつらえ向きのが一本あるが、それはまさに近づいてくる音がする、その向こう側だ。逃げるか、闘うか、運に頼ってまばらな草の影に隠れるか……。その時、獣が草を掻き分けて姿を現した。

『黒髪』はへたり込みそうになった。現れたのは、よりによって『牙神』だった。

『牙神』は一番危険な獣だ。上顎から大きく突き出した、半月型の凶悪な牙。恐ろしい力と爪を秘めた前脚。狼よりも、虎よりも、百倍も危険なやつだ。こいつがこれほどまでに危険なのは、埋葬されなかった死者が充分な捧げものを得られず、飢えと怒りで復讐のために獣になったからだと言う。こいつは、誰の魂が獣になったのだろう。弟の魂でなければ良いのだが。

『黒髪』は逃げ場を探した。とても『牙神』とは戦えない。勝ち目はないのだ。あの木……あの木まで行き着けたら。『黒髪』は『牙神』から目を離さないようにして、そろりそろりと、円を描くように『牙神』を迂回しようとした。いつ『牙神』が襲ってくるか……今か……今か……。

どうしたわけか、『牙神』は襲ってこなかった。ただ、珍しい物を見るように、『黒髪』に目を向けている。もしかして、腹が減っていないのかもしれない。ただ散歩に出かけてきただけかも。それとも……?

「おまえ、まさか『槍投げ』じゃないよね」じりじりと移動する足を止めず、『黒髪』は冗談めかして言った。「たしかに、あの捧げものは少なすぎたよ。でも、こんなに早く飢えたりしないでしょ」

『牙神』は何も答えず、こいつはいったい何をしようとしているのか、というふうに、こちらを見つめている。尻尾がちらりと動いた。

その尻尾に、なにか目をひく物があって、『黒髪』は目をこらした。何だろう? また尻尾がちらりと動いた。何か……首飾りのような? そう、あれは……『槍投げ』の首飾り!! まさか!!

気がつくと、地面にへたり込んでいた。なんてこと!! 『槍投げ』は……弟は、『牙神』になってしまった。捧げものが少なかったからだろうか。『長顎』に求婚されたのが聞こえたのだろうか。ここまで来て、すべてが無駄だったのか。

「おまえ……おまえ、本当に『槍投げ』だったのかい?」しゃべってみると、『黒髪』の声は涙に濡れていた。「ああ……ああ……あたしの弟が『牙神』になってしまったよう……『槍投げ』が飢えて、怒って、『牙神』になってしまったよう」

『牙神』は、ふわあぁ、と大きなあくびをした。どうも、飢えとか怒りとかいった様子ではない。

「おまえ、怒ってないのかい?」『黒髪』は聞いてみた。「怒ってないのなら、どうして『牙神』なんかになってしまったの? 『長顎』があたしに妻になれと言ったのを聞いて怒っているんじゃないのかい?」

じいっ、と『牙神』は彼女を見た。この女をどうしたらいいか、決めかねているようだった。

「『長顎』はね、あたしの子供ならきっと強い男が生まれるから、妻になれって言ったのよ。冗談じゃないわ」彼女は弟に訴えた。「あんな臆病者の子供なんか、だれが産むもんか。もっと強い男なら、こっちから押しかけてやってもいいけど。でも『長顎』が長になってから、強い男なんて……おまえくらいしか、居ないわね」

『牙神』は、じいっ、と『黒髪』を見つめた。『黒髪』も、『牙神』を見つめかえした。

「おまえ、まさか……」『黒髪』はためらいがちに言った。「あたしに、おまえの子を産めって言うんじゃ……」

『牙神』は尻尾を振りながら、こちらを見ている。

「そりゃ、おまえほど強い男はいやしないけど……でも同じ血を混ぜるのは……でも今のおまえは『牙神』だしね……もし……もし『牙神』の強さを持つ子を産めたら……」

『黒髪』は身震いした。『牙神』の子を産む? どんなに強い男になるだろう!! いや、たとえ女だとしても、その強さは疑うべくもない。自分が『牙神』と交われば……この胎に『牙神』の子を宿せば……。

彼女はそれでもためらった。そんな彼女を『牙神』の視線が舐めていった。この身体が、欲しいの? 彼女は心の中で問いかけた。そう言えば、弟はまだ妻を娶っていなかった。『牙神』になってからでも、その無念さは残るのだろうか。

『黒髪』は腰布を取った。全裸になって、彼女は両手を地面についた。

「いいよ……」彼女は囁いた。「いいよ……お前の仔を、産んであげる。さあ……おいで」

後ろを向き、四つん這いになって、彼女は腰を高く上げた。片手を下腹部にのばし、自分の指で、股間の襞を拡げる。「おいで」彼女は誘った。

相手の方は、なんだこいつはと戸惑っているようだった。だが『黒髪』のしぐさに見間違えようのない牝の誘いを感知したか、興味深げに近づいてくる。鼻先を彼女の股間に近づけ、ふんふんと鼻を鳴らす。

「さあ、おいでってば」彼女はじれったげに腰を振った。「ここに、入れて……ここに、子種を撃ち込んでちょうだい」

そうっと後ろを窺うと、『牙神』の股間からは長々と牡の槍がのびている。その長さに、『黒髪』は息を呑んだ。それは雄々しく、猛々しく、男の象徴そのものに見えた。股間が激しく溢れ出すのが自分でもわかった。男に飢えているようで羞ずかしかったが、ある意味、確かに自分は男に飢えていたのだ。逞しい男に。『牙神』のような男に。今、『牙神』そのものがここにいて、彼女のために槍を勃てている。

かすかに喉を鳴らしながら、『牙神』は彼女の上に身体をかぶせて来た。

『黒髪』は尻をもたげ、後ろへいざって、夫を迎えに行った。柔肉の壺に、槍の穂先が当たった。そして……彼女は息を殺し、その瞬間を待った。

わずかに、地面に映った『牙神』の影が揺れたようだった。

「あぅっ!!……く、うぅぅぅっ!!」

槍が彼女を突き抜けた。

一気に子宮まで届いた獣の槍が、彼女に牝の唄を強要した。『黒髪』は鳴くしかなかった。地面につっぷし、いかに強い男に犯されているか、どんなに歓喜に溢れているかを訴えた。

「あぁーーっ!! あ、あぁーーーっ!! こ、こんな……こんなの……あぁっ!! おお……どうか、どうか……おまえの妻にして……あたしを一生、おまえの妻にして!! あっ……つ、突き抜けるぅ……ああ、もう……あたしを攫って……もう、もう戻らなくてもいい!! あたしに……あたしに、おまえの部族を産ませて!! ひぃっ!! あ、出る……ああ、出して……孕ませて!! 姉弟でも、いい!! もう、あたし、なにもいらない!! おまえと2人で、部族を作りたい!! ああっ!! もっと!! あ、あーーーーっ!!」

指が地面を掻きむしり、よだれが砂を濡らした。『牙神』の牝になった彼女は、はやくも絶頂に到達し、続けざまに次の絶頂めざして再び昇り始める……。

向こうの木の枝に座って、あんぐりと口をあけている男が目に入った。

え? 『黒髪』は目を疑った。まさか……? まさか、そんな……!?

獣に犯されながら、『黒髪』はまじまじと彼の顔を見た。彼も、まじまじと『黒髪』を見つめていた。死んだと思っていた『槍投げ』だった。

「な、なぜ……?」

だが、もう何か言葉を言う余裕はなかった。『牙神』が腰を突き立て、射精した。

「はうっ……!!」

信じられないほど熱い塊が、彼女の胎の内側で爆発した。どっ、どっ、と続けざまに精液が送り込まれ、子宮を満たし、溢れ、逆流する。

「ひいぃぃぃーーーっ!!」

弟が生きている……弟が生きて、自分を見つめている……見つめ合った視線を外すことも出来ず、『黒髪』は『牙神』の射精を受け、再び絶頂に達した。しかも、それで終わりではなかった。『牙神』はいったん射精した後も、槍を抜くことなく、『黒髪』を蹂躙し続けた。なんども彼女をつらぬき、その温もりと溢れる蜜を堪能し、貪欲に彼女を虐め、犯し、汚した。いったい何度射精されたか、『黒髪』は憶えていない。

気がついたとき、『牙神』は牝をうち捨ててどこかへ去った後だった。性交の痕は地面にこれでもかというほど残っていた。人の手と、獣の爪で掻きむしられた地面。逆流し、溢れて、地面に滴った大量の精液。太腿も、腹も、胸までも精液に汚れ、異臭を放つ『黒髪』自身。

「姉さん……」

見ると、『槍投げ』が目の前に立っていた。

「あ……うぅん」

腰が、どうにかなってしまったようだった。動くと尻の間から疼くような強烈な感触が疾りぬけ、『黒髪』は汚れた地面に頬を押しつけて、かろうじて絶頂を抑えた。

「姉さん……」弟は途方に暮れたように言った。「姉さん、何してんの、こんなとこで?」

答えることも出来ず、彼女は歓喜の余韻にひたっていた。

日が傾き始めた頃、ようやく彼女はまともに動けるようになった。弟は彼女に肩をかして、なんとか2人で歩き出した。『槍投げ』はもう一方の肩を砕いていたが、なにも言わなかった。

谷を登り、森を歩きながら、弟は谷に落ちてからの事を姉に語って聞かせた。奇跡的に谷の半ばにある木に引っかかったこと。そこから降りるとき、肩を打ったこと。痛みがひくまで、大事を取って木に登って隠れていたこと。

「でもさ」弟は言った。「姉さん、あれは言い過ぎだよ、『おまえの部族を産ませて』って」

2人は顔を見合わせた。弟は照れたように笑うと、そっぽを向いた。姉ははにかんで視線を落とした。

「ええっと……」『槍投げ』は言った。「はやく部族のとこに戻らないと……」

「そうね」『黒髪』は森の奥を指して答えた。「こっちよ」

それは、草原の方ではなかった。


うきゅ!! や、やばい。書くのに熱中してたら、もう午前4時じゃん。あちゃー。

え、ええと、『牙神』=「サーベルタイガー」ってことで。あう。これから速攻アップしますぅ。m(_ _)m

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