雑談の広場


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[ 1221 ] Re:落日3-5-3
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時47分 ] 
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押し止めていた獣性を解放して、彩子は吼えた。呼応するようにジョンが突き込みを激しくする。
結合部から飛沫が跳ね、黒々とした繊毛と黒い毛皮を艶光らせる。彩子は目の前の牡に抱き付き、狂ったように腰を上下にうねらせた。
 本能に突き動かされて腰を叩き付けるジョン。背を丸めて突き上げるように女主人の胎内を穿っているが、
本来の交尾姿勢より下向きに伸びる胎内に浅くしか突き込めず、何度も後足を踏み替えていた。
 だが、その浅い突き込みは、肉槍の穂先でGスポット付近を圧迫される彩子にとっては、
一気に絶頂へと押し上げられるほど強烈な快感を生み出していた。そして、オシッコを我慢しているようなムズムズとした感覚も湧き上がってくる。
「ァグゥッ! 壊れちゃうっ! オ×ンコ壊れちゃうっ! ――ァウォーーッ!」
 野獣の如き咆吼と共に腰を跳ね上げる彩子。結合部からトロッとした液体が勢い良く噴き出す。驚いたジョンは結合を解いて女主人の躰から跳び退いた。
 水鉄砲のように噴射された液体は向かいのソファを濡らし、テーブルとフローリングにも飛び散る。彩子は初めて潮を吹いた。
 全身を力ませ、ふいごのように荒い息を続ける彩子は、初めての激しいオーガズムに混乱し、
失禁したのではないかという羞恥心に顔を覆う。続けて噴き出た潮が、脚を閉じた彩子の太腿を濡らした。
「ゃあん、おしっこ、漏らしちゃった……」
 
[ 1220 ] Re:落日3-5-2
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時47分 ] 
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口の中いっぱいに牡の匂いが充満する。勢いを増した少し苦味のある熱い先迸りが彩子の舌と喉を叩く。脈打つ肉塊に舌を這わせてから、
飼い犬の腰に手を廻してぐっと根元まで飲み込んだ。尖った先端が喉を突き刺し、柔らかい毛が頬を擦る。温かく濡れ、
締め付けてくる粘膜を極上の生殖器に感じたジョンは女主人の口を犯し始め、室内に淫らな水音と牡犬の荒い息遣い、くぐもった嬌声が響き始めた。
「んあっ、ぁは、んんっ。どう? 普通の牝犬にはこんなことできないでしょ」
 唾液の糸を引く肉塊を吐き出した彩子は、間欠泉のように噴き出している先迸りを手に受けて肉槍に塗り込めながら、自分が特別な存在であることを印象付けようとする。
 指の輪をすり抜けてくる先端を尖らせた舌先で弄び、熱い飛沫で顔をドロドロにした彩子は、左手を蕩けた秘裂にあてがって狂ったように指先を踊らせた。
「はぁん、もっと、ちょうだい……」
 牡犬の淫汁を塗った肉厚の唇を大きく開けて肉槍を飲み込んだ彩子は暴れん坊の拘束を解いた。すぐにジョンが激しく腰を振り始める。
 容赦ない突き込みに彩子は苦しそうに眉を寄せ、えずきながらも喉の奥を飼い犬に解放する。抽送に合わせて犬のペニスをしごき立てる唇から
、唾液と先迸りの混合液が卑猥な音とともに漏れ出す。彩子は噴き出してくる牡液をはしたない音を立てながら吸い上げ、喉を鳴らして飲み込んだ。
 やがて、完全に毛皮を脱ぎ捨てたペニスの根元が少しずつ膨らみ始めた。喉を叩く先迸りも粘り気を帯び始め、喉に絡む粘液に彩子はジョンの準備が整ったことを覚る。
 名残惜しそうに、自分が塗り込めた唾液に濡れ光る飼い犬のペニスを口から吐き出した彩子は、
その先端に唇を押し当て、勢いよく噴出する白濁液を口内に溜めた。そして、しばらく舌で転がして味わってから、
嚥下する喉の動きを見せ付けるように顎を上げて美味しそうに飲み下した。
「はぁ、おいしい……。もっと欲しいけど、ジョンのおっきいのをおクチよりも欲しがっているところがあるの。――分かるでしょ?」
 ジョンを背中から抱きとめ、その耳元で彩子は囁く。飼い犬のペニスを頬張っている間も、彩子の秘芯からはとめどなく愛液が溢れ、膣奥と子宮が疼いていた。
「はんっ……。そうよ、あなたにいやらしく腰を振っている憐れな牝犬のグジュグジュのオ×ンコを、このおっきい犬のチ○ポでメチャクチャに突いて欲しいの……」
 長く逞しい牡そのもので滅茶苦茶に掻き回されるのを今か今かと待っている秘裂を毛皮に擦り付け、
ビクビクと跳ねる肉槍をしごきながら、彩子は飼い犬に情けを請う。振り向いたジョンは女主人の瞳を見つめて、牝犬の哀願に答えるように一声鳴いた。
「うれしいわ、ジョン。今日はあなたの顔を見ながらイカせて……。人がするようなセックスをしましょ……」
 牡犬から躰を離した彩子は、ジョンの前足を一度ソファから下ろさせ、その前に座った。
股を大きく開き、腰から下がソファから突き出るまでずり下がっていく。飼い犬の首輪を掴んで引き寄せ、自分の躰に覆い被らせた。
 彩子の目の前にジョンの顔が迫り、獣臭い息が吐き掛けられる。躰の前半分が暖かな毛皮で擦られる。
飼い犬の腰が本能に従って女主人に叩き付けられる。
「ぁはっ、そんなに早く挿れたいの? 待っててね……」
 右手をお尻の下から廻し、間違って後ろの穴に突き入れられないようにして指で入り口への道を開く。
前から廻した左手が牡犬のペニスを掴み進入角度を調整する。
「来てっ! ――ぅくっ、ぁあっ、挿入ってきたわ!」
 たっぷりと潤滑油にまみれ、蕩け切った女主人の生殖器に、飼い犬の生殖器がはしたない音を立てながら挿入り込んでいく。
肉槍の先端が子宮口を擦り、彩子の最奥を突き上げる。押し広げられる痛みと圧倒的な充足感に、
牡の証を渇望していた人妻はかつてないほど激しく総身を震わし、声もなく髪を振り乱した。
「ァオゥーーッ!」
 
[ 1219 ] Re:落日3-5-1
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時46分 ] 
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「はぁっ、んんっ……。ジョン、もういいわ……。今度は私が……」
 新たな快楽への扉を開け放ってくれた飼い犬の顔を、痙攣を続けている臀部から引き剥がした彩子は、
のそのそと起き上がってその首に抱き付いた。親愛の情を示すように首筋を撫で、額や鼻先にキスを振舞う。
ジョンの舌が女主人の口元を舐める。排泄口に突き入れられていたことにも構わず、彩子は舌を絡めていった。
 彩子の右手が飼い犬の背中から前へと滑り、股間のものを探る。手の平に感じた熱い肉のぬるりとした感触に、彩子は満足そうに微笑んだ。
なによりも自分の魅力で牡を発情させていることが嬉しかった。
「あはっ、ちゃんとおっきくしてくれているのね。ジョンだけよ、私に女を……、牝を感じてくれるのは……」
 飼い犬の耳元で囁いた彩子は、肉槍を優しく握り直すとゆっくりとしごき始めた。ジョンは甘えるように鼻声を漏らし、
手が根元付近に近付く度に引き攣るように腰を突き出す。先端から滲み出る先走りが手を濡らし、速くなっていく手の動きを潤滑油になって助けていた。
 飼い犬の、夫のモノとは比べ物にならないほどの長さになったペニスをしごきながら、彩子は熱い喘ぎを漏らし、ジョンの首筋に顔を埋めている。
背中にジョンの熱い息がかかり、よだれが筋になって流れ落ちていった。
「んっ、んふっ、気持ち好いのね……。ほら、こんなにベトベトにして……」
 牡犬のシンボルをしごき続けていた手を目の前にかざし、彩子は目を細めて舌舐めずりをする。牡そのものを感じさせる匂いに欲情し、
舌を伸ばして手を濡らす牡犬の先走りを舐め味わった。
「んんっ、おいしい……」
 サラサラしていて夫よりも薄味の潤滑液を、彩子はもっと舐めてみたいと思った。とことん淫らになりたい。堕ちるところまで堕ちよう。
指先で糸を引いている粘液を眺めながら、彩子は自分の身が穢されれば穢されるほど夫への仕返しになるのだという考えに完全に囚われていた。
 ジョンに前足だけをソファに乗せさせた彩子は、身を屈めてその躰の下に顔を潜り込ませた。濃くて強烈な牡の匂いが鼻の粘膜をくすぐる。
ペニスの根本を掴んで、先端を目の前にたぐり寄せる。瞳に妖しい光を宿した彩子は躊躇うことなく唇をかぶせ、牡犬の淫汁を噴き上げている小さな孔を舌先で突付き始めた。
 
[ 1218 ] Re:落日3-4-3
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時45分 ] 
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愛娘のためと言いながら、彩子は熱心に蜜液を舐め取っている飼い犬に向けて腰を迫り出し、
空いた手で秘裂を割り拡げている。剥き出しになった真珠を舌で擦り上げられて、目の前にスパークが飛ぶ。
「んっ、また夜に電話してっ、ぁ、あゆみに、元気な声を聞かせて、ぁあっ、安心させてあげてっ」
 かすれていく意識と視界の中で、彩子はあゆみのことにだけは気を懸けることができた。
「ああ、わかった。――彩子、本当に大丈夫か?」
「ぁふ、んっ、ごめんなさい、もう我慢できないわ、ジョンが急かしてるのっ!」
 我慢の限界に近付き、彩子の声が切迫する。目の前には無数の星が煌めいている。
「そ、そうか。じゃあ、また夜に電話する」
「っくぅ、ま、待ってるわ」
 夫が電話を切るのを待たずに荒々しくボタンを押して電話を切った彩子は、子機を投げ捨てると同時に、
抑え付けていた嬌声を解き放った。同時に強烈な絶頂の波が押し寄せ、全身がガクガクとデタラメに踊り出す。
「ハァッ! ダメッ、イックゥーーーッ!」
 ソファの上で仰け反り、彩子は身悶える。はしたなく拡げられた女主人の膣口に、飼い犬の舌が淫らな音を立てて容易に出し入れされ
、肉洞がザラザラした舌に激しく擦り上げられて蜜液を湧出する。おびただしい量の粘液は舌への締め付けとシンクロして開閉する菊門をも濡らしていた。
 新たに立ち昇ってきた不思議なニオイに興味を示したジョンは、舌での源泉探しを止めて鼻先を蜜口のさらに下へと突き入れた。
「ひぃっ、ジョン、そっちはダメぇ!」
 その匂いが興味深いものだったのか、滴り落ちる雫さえも逃さないためなのか、ジョンの舌は彩子の後ろの窄まりへと伸びた。
不浄の門への侵入を防ごうとした彩子だったが、激しい絶頂の後で下肢は言うことを聞かず、ザラザラした舌は放射状の皺が刻まれた門へと到達していた。
「ぁあんっ、お尻はイヤぁ……」
 実の父親との戯れの最中に、肩で逆立ちした格好のまま膝を抱えさせられ、自分の恥ずかしいところに出入りする指を見せ付けられていたときに、
父親がお尻の穴に舌を這わせた記憶が甦った。そのときと同じく、羞恥と気色の悪さに鳥肌が立つ。舌から逃れようとした彩子はバランスを崩し、
期せずして父親が後ろの窄まりに舌を這わせたときと同じ格好になり、身動きが取れなくなっていた。
 もがく彩子の臀部を片足で押さえ、ジョンは真っ直ぐ天井に向けられた女主人の排泄口に舌を這わせて不浄な窪地を隅々まで味わっている。
膣口の周囲を舐められているときとは異なる刺激が、次第に気持ち好い波動を生み出していた。
「ゃあっ、やだぁ……。ぁくっ、ぃ、ぃいっ……。はぁんっ、なんで……。なんでお尻が気持ちいいの?」
 窪地に押し当てられる舌が鳴らす、羞恥心を掻き立てる音を聞きながら、逆さになった秘裂から湧き出る蜜液が茂みを伝わって滴り落ちる様を、
飼い犬に排泄口を蹂躙される様を、彩子は快楽にかすむ目で眺めている。
「ぁふっ、いやっ……、いいっ、もっとぉ……」
 彩子の口から相反する言葉が同時に漏れる。執拗に這い回る舌はやがて、気持ち好さだけを際立たせていった。愛液がとめどなく溢れ出る。
「くぅー、お尻が、お尻がいいのっ。――だめぇ、開いちゃうっ、お尻の穴が、開いちゃうぅ!」
 何度も窄まりの中心を突付かれていた彩子は軽い絶頂の波にもまれ、ついに飼い犬の舌を不浄の門の中へと受け入れてしまった。
「いやぁーっ、だめっ、いっちゃうの! ぁくっ、お尻で、お尻で、ァアアーッ!」
 まだ固い窄まりに、舌は入り口付近までしか入り込めなかったが、彩子は排泄のための器官にえも言われぬ快感を覚え、一気にさらなる高みへと昇り詰めた。
ふわっと牝の淫臭が濃くなり、緩くなった菊門のさらに奥へと飼い犬の舌が入り込んでいく。そして彩子はもう一段上の高みへと押し上げられていった。
「っはぁぁ……。くっ……。すごぉい、お尻が気持ちいい……」
 彩子は排泄のための器官から沸きあがってくる不思議な気持ち好さの虜になっていた。
 飼い犬の舌が出入りする度に粘膜が擦られ、排泄口が山のように盛り上がる。その下の蜜口から湧き水の如く溢れ出している愛液は、
漆黒の茂みから滴り落ちて臍に溜まり、胸元まで光る筋を作っていた。
 新しく覚えた菊門での快楽を加速させるように、はしたない水音を奏でながら蜜液で濡れ光っている肉の真珠を擦り、彩子は次々と押し寄せてくる快楽を貪っていった。
[ 1217 ] Re:落日3-4-2
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時45分 ] 
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電話の向こうで拓雄が妻の悲鳴に色めき立つ。自分の身を案じる夫の声を耳にしながら、彩子は空いた手で、
股間に鼻先を突き入れてくる飼い犬を必死に引き剥がそうとしていた。
「ぁんっ、ダメよ、ジョン。あっちへ行ってなさい。――ごめんなさい、ジョンの散歩から、
んっ、帰ってきたばかりっ、だったの……。ちょっと待ってくれる?」
 女主人の手を巧みに避けるジョンの舌先が触れる度に、先程までの舌戯でとろとろになっていた蜜芯が再び蕩けていく。
このままでは夫に、はしたない喘ぎ声を聞かれてしまう。彩子は拓雄に断りを入れて、震える指先で子機の保留ボタンを押した。
「んもうっ、おイタをしちゃ、ダメでしょ!」
 子機を置いた彩子は、飼い犬を股間から引き剥がしてその目を見つめて言った。物欲しそうな目をしたジョンが女主人を見つめ返す。
「なぁに? もっと、いやらしいオツユを飲みたいの?」
 答えるように鼻を鳴らすジョンに、彩子は昏い欲望を秘めた笑みを浮かべる。
「んふっ、仕方のない子ね……」
 電話越しに夫と話しながら、飼い犬に奉仕させる。
 薄氷を履むように危うく、常軌を逸した行動が淫蕩な主婦を魅了した。
 子機を掴み取り、彩子はソファにしなだれかかった。すぐにジョンが蜜の源泉に殺到し、
躰を突き上げるような快感が女主人に嬌声を上げさせる。呼吸を整え、彩子は保留を解除して淫らな遊戯を開始した。
「ごめんなさい。こ、これからジョンをお風呂に入れて、んくっ、あげようと思ってた、ところだったの……」
 なんとか平静な声で応対し始めた彩子は、ジョンの立てる淫らな水音が夫に聞こえるかもしれないと考えただけで蜜の量が増すのを感じた。頭の奥が痺れてくる。
「そうか……。なぁ彩子、具合でも悪いのか?」
「大丈夫よ。んっ、さっきからジョンが、はんっ、早く挿入《はい》りたいって、いろんなところを、ぅくっ、舐めてるから、くすぐったくて……」
 過敏な真珠が刺激される度に漏れそうになる嬌声を、彩子は必死に抑えている。
「そ、そうか……。で、アノことなんだが。一度、EDの治療に行こうと思うんだ」
 妻が飼い犬に秘裂を舐めさせながら会話しているとは思いも寄らない拓雄は、妻の言葉を疑うことなく受け取り、自身の問題を解決する気があることを告げた。
「んくっ、そう。治ると、いいわね……」
 ぼうっとする頭で、彩子は夫の男としての機能が治ろうと治るまいと、どうでもいいと思っていた。治ったら夫ともセックスを楽しめる分いいかなと口元を歪ませる。
「ああ。それで彩子にも協力してもらうことになると思う」
「んっ、はぁ、もちろんよ。あゆみのためっ、だもの」
 
[ 1216 ] Re:落日3-4-1
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時44分 ] 
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 突然のコール音が彩子を現実に引き戻した。
 最初のうちは無視を決め込んでいた彩子だったが、長く続く電子音に、あゆみに何かあったのではないかと急に不安になっていった。
美味しそうに蜜液を舐め取っている飼い犬を強引に引き剥がし、覚束ない足取りでカウンターキッチンの上の子機を取り上げる。呼吸を整えて通話ボタンを押した。
「彩子か? 俺だ。――少し時間ができたから、ちょうどいいと思ってな」
 電話の相手は夫だった。昨晩までとは違って、その声にはオドオドとした感じがなくなっていた。
あの後、男としての自信を取り戻すようなことがあったに違いない。もやもやしたものが彩子の心に忍び込む。
「もう、拓雄さんだったの……。あゆみに何かあったのかと思ったじゃない」
 お楽しみを途中で切り上げさせられた怒りも相俟って、彩子の言葉には知らず知らずのうちに刺が含まれていた。
「――それは悪かったな」
 妻のぞんざいな物言いに拓雄はムッとしたが、今日のところは彩子を怒らせるわけにはいかないと、怒りの感情を呑み込んだ。
「で、なに?」
「いや、その、なんだ……。すまなかった、昨日は……。なあ彩子、誤解しないでくれよ。彼女はただの……」
「あははっ、誤解なんてするわけないじゃない。彼女、片瀬さんっていったかしら、感じのいい人ね……。夜遅くまで付き合わせて。彼女にお礼は言ったの?」
 何も訊いていないのに誤解するななんて、浮気していたのを白状しているようなものじゃないかと、途端に彩子は腹を立てた。
これ以上言い訳は聞きたくないと、夫の話に割って入る。
今の生活を守るためには、夫の浮気に気付かない鈍感な妻になるしかないと、浮気への疑念を微塵も見せずに明るく振舞いながら。
「いつもお世話になっているんでしょ? 拓雄さんの面倒を色々看てもらって助かりますと、私の代わりに伝えておいて」
「ああ、わかった。伝えておくよ」
 夫の安堵した声に苛立ちを感じたものの、愛娘の将来を考えて怒りの感情を呑み込んだ彩子は、飼い犬のことを完全に失念していた。
「キャアッ!」
 いきなりザラザラした舌に秘裂を舐め上げられて、彩子は悲鳴を上げた。
「どうした、彩子!」
 
[ 1215 ] Re:落日3-3-3
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時43分 ] 
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辺りに漂い始めた牝のニオイをジョンは鼻を鳴らして嗅ぎ取り、不思議そうな表情で彩子を見上げた。千切れんばかりに尻尾を振りたくっている。
 最後の一枚を脱いで一糸纏わぬ姿になった彩子は、脱いだパンティのクロッチ部分をぐっしょりと濡らす粘液を確認し、
それを飼い犬の目の前に差し出した。ジョンは鼻をヒクつかせてニオイを嗅ぐと、舌を伸ばして馨《かぐわ》しい牝の匂いを放っている粘液を一心不乱に舐め取り始めた。
「ジョンも、このいやらしいオツユが大好きなのね。もっと欲しい? ――ほら、ココからもっともっと溢れてくるわよ……」
 飼い犬の目の前に仁王立ちになった彩子は、自らの指で秘裂を割り拡げた。小さな水音とともに、
肉びらの間に溜まっていた粘り気の強い透明な蜜が糸を引いて滴り落ち、牝臭がさらに濃密なものになる。
パンティを投げ捨てた彩子が、蜜を絡めた指を飼い犬の鼻先に突きつける。すぐにジョンは新鮮な蜜を綺麗に舐め取り、彩子は淫らな笑みを浮かべた。
 再び蜜を絡めた指で彩子は飼い犬を望みの場所へと誘う。淫らな蜜の匂いに惹かれて、
ジョンは鼻先を女主人の下半身へと近付ける。濃密な牝の匂いを放つ源泉に気付いたジョンは、
その指を追い越して新鮮な蜜を吐き出す穴へといきなり舌を伸ばした。
「ぁひっ、ジョ、ジョン。もうっ、イケナイ子ね」
 突然の襲撃に驚きながらも、飼い犬の予想以上の反応に彩子は思わず笑みをこぼした。グイと腰を突き出し、
蜜を湛えた谷間とそこを縁取る繊毛を撫で付けた右手が蜜の源泉を指し示す。導かれるままに鼻先を近付けた牡犬は舌を伸ばした。
指や夫の舌とは異なる次元の快感に、彩子の臀部が卑猥に踊り出す。
「ぁあっ、イイ……。ザラザラしてるのが、気持ち好い……」
 ジョンのザラザラした舌は蜜口だけでなく、肉びらや畝、真珠をも蹂躙している。次々と襲ってくる快感の波に躰を揺さぶられながら、
彩子は両手でさらに秘裂を割り拡げた。わななく蜜口がぽっかりと口を開け、その奥へと蜜を求める牡犬の舌が潜り込んでいく。
犬の長い舌は子宮口にまで到達し、初めて感じる痺れるような快感に全身がわななく。膝に力が入らなくなった彩子はソファの肘掛に腰を下ろした。
 ソファの背にもたれ、大胆に、卑猥に脚を拡げた彩子の、蜜を豊富に湧き出させている蜜口にジョンは再び舌を突き入れる。
彩子が指で蜜の源泉を指し示す必要はもうなくなっていた。ピンクの舌が茂みの奥の洞窟に出入りする様を眺めながら、
彩子は両手を乳房に宛がい、放っておかれた間もジンジンとした疼きを発していた乳首を指で強く抓み上げた。苦悶と愉悦が綯い交ぜになった喘ぎを放ち、彩子は身を捩らせる。
「ぅ、くぅっ……。おっぱいもオ×ンコも気持ち好いのっ。ぁあっ、ジョンっ。もっと……、もっと奥まで舐めてっ!」
 もの欲しそうに浮き上がる牝犬の腰にジョンは執拗に食い付き、溢れてくる蜜をピチャピチャと舐め取っていく。蠢動する肉壁を舌が擦り、淫らな蜜は次から次へと溢れ出していた。
[ 1214 ] Re:落日3-3-2
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時43分 ] 
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白と黒の獣の間で押し潰され、形を変える彩子の乳房。その先端の突起が乳暈ごと盛り上がっている。淫らに腰をくねらせ、
豊艶な肉果実を牡犬に擦り付けて熱い喘ぎを漏らす女主人の体温が、飼い犬の体温に近付いていく。ジョンがしきりに彩子を振り返り、下半身をモゾモゾとさせている。
 毛皮による愛撫をたっぷりと堪能した彩子は、親愛の情を示すかのように飼い犬の額に唇を押し付けてから、目の前に座り、
その顔を両手で優しく包んだ。見つめ合う二匹の獣の間で熱い吐息が混ざり合っている。ジョンは凶暴な牡の本性をまだ現していなかった。
 キスをせがむように目を閉じた彩子が顔を近付けると、ザラザラした舌がその口元から鼻にかけての一帯を執拗に舐め始めた。
一瞬顔をしかめたものの、彩子は飼い犬の舌による蹂躙を受け続け、喘ぐように唇を開く。すかさずジョンの長い舌が侵入し、
二匹の舌がもつれ合い、唾液が混ざり始め、くぐもった歓喜の声がその間から漏れ出し始めた。
「んむっ……、っはぁ……。上手よ、ジョン……」
 飼い犬とのディープキスを楽しんだ彩子は、てらてらと濡れ光る口元から唾液の筋を垂らして妖艶に微笑み、ジョンの首筋や頭を撫でさすり、熱烈な探究心を示した舌を褒め称えた。
「ねぇ、今度はこっちに……」
 膝でにじり寄り、尖り勃っている乳首に両手で包んでいた飼い犬の頭を近付けていった。
 敏感な突起をザラザラした舌で舐め上げられた彩子が小さな悲鳴を上げる。ジョンの舌は、不思議な感触のする突起を何度も襲い、
飼い犬の舌の猛攻に身を捩る彩子は、二つの突起を交互に差し出した。
「ァアッ、そうよ。もっと舐めてっ。おっぱいの先っぽがジンジンして気持ち好いの!」
 甘美な痛みとともにいっそう強さを増したジーンズの奥の疼きを紛らわすように、彩子は腰をモジモジさせている。
不意にジョンが固くしこった突起を甘噛みした。喰い千切られるかもしれないという恐怖と、チクリとした痛みが恐ろしいほどの快楽となって彩子を貫き、
悲鳴と嬌声の入り混じった声を上げる。ドクドクと蜜液が溢れるのを感じ、彩子は我慢の限界を迎えた。
 やすりのような舌で何度も擦られ、真っ赤に腫れ上がった乳首と乳暈から飼い犬の頭を引き剥がして立ち上がった彩子は、逸る手でジーンズの前を開き、
パンティがずり下がるのもお構いなしに、ジーンズを一気に脱ぎ捨てた。牝の淫臭がむわっと立ち昇る。パンティの上から濡れ具合を自らの指で確認した彩子は甘い喘ぎを放った。
 
[ 1213 ] Re:落日3-3-1
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時42分 ] 
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 庭でまどろんでいたジョンを呼び、その足を拭いて室内に招き入れた彩子は、エアコンの効いたリビングで飼い犬を見下ろしていた。
テレビには、いつかと同じメロドラマが映されている。
「子供は出来ない、のよね?」
 田宮から聞いた事を確認するように彩子は呟く。まだジョンとのセックスをおぞましく感じてはいたが、夫ばかりが気持ちの好いことをしているのだと思うと、
自分も何かで埋め合わせなくては気が済まなかった。
 自らの身を穢すことによって不貞を働いた夫に仕返しをする。半ば夫への腹いせに飼い犬とセックスすることを決心した彩子は、
一度してしまったことは何回しようが変わらないのだと自分に言い聞かせた。何より浮気が、いや、このじゃれ合いがジョンの口から夫に知れることはないのだと病的な笑みを浮かべる。
膣と子宮をいっぱいにされたときの陶酔感を、しかも妊娠の危険もなく、あれほどの快楽をもたらしてくれた飼い犬との行為を思い出し、彩子は期待に身を震わせた。
 レースのカーテンに和らげられた昼の日差しはリビングの奥まで届かない。彩子の周りに広がる薄暗がりにジョンの姿が溶け込んでいく。
二匹の獣の忙しない呼吸が次第に重なっていった。
 飼い犬の横で膝立ちになり、彩子はジョンの背中を撫でさすりながら、その逞しい身体を愛でた。背中に抱き付き、
しなやかな毛皮に頬擦りをする。立ち昇る牡犬の体臭にうっとりと目を閉じて、その胸板を撫で下ろす。まだ毛皮の中に隠されている牡の器官に手が触れ、
ジョンが鼻を鳴らして頭を下げた。
「――ねぇ、また私とセックスしたい? したいでしょ?」
 垂れ下がっている耳を甘噛みし、飼い犬の耳元に熱い吐息と誘いの言葉を吹きかける。自ら牝犬となって逞しい牡犬に組み敷かれる姿を想像しただけで、
妖しく甘美な戦慄が背筋を駆け上がり、躰を反らす。流し目でジョンを見下ろし、彩子は口の端を吊り上げた。
 Tシャツとブラジャーを一気に脱ぎ捨てた彩子は、豊満な乳房を押し潰すように飼い犬の背中に押し付けた。背骨に沿って躰を前後させると、
長い毛の下に隠された短い毛が尖り勃った乳首をチクチクと刺激する。悩ましげに漏れた彩子の嘆息に呼応するように、ジョンが一声鳴いて振り返る。
「んふっ……。気持ち好いでしょ? 私も気持ち好いわ……。ぁあっ、このチクチクするのがイイっ!」
 
[ 1212 ] Re:落日3-2-2
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時41分 ] 
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翌晩。何度赴任先のアパートに掛けても連絡の取れない夫のことを彩子は心配していた。漸く電話が繋がったのは、もうすぐ零時を回ろうかという頃だった。
「やっと繋がったわ……。拓雄さん?あのことで話を……」
「何だ、彩子か……。すまんが、また今度にしてくれ……」
 酔っ払ってはいるものの、取り敢えず夫が無事であることに安堵した途端、彩子は平日の夜だというのに夫が酔い潰れていることに腹を立てた。
拓雄の手から滑り落ちた受話器がテーブルにぶつかる派手な音が、苛立ちを込めた溜息を吐く彩子の耳を打った。
『んもぅ、課長ぉ。もう寝ちゃったんですかぁ。まだこれからじゃないですかぁ』
 電話越しに夫に呼びかけていた彩子は、不意に若い女の甘えた声を聞いた。拓雄を課長と呼んでいることから会社の部下らしいが、
女性をこんな時間に部屋に上げるのは非常識ではないか。それにあの甘えた声。彩子はますます苛立った。
 電話の向こうでは酔いつぶれた拓雄を起こそうとしていた女が、繋がったままの電話に気付いた。反応を探るような声に、彩子は努めて冷静な声で名乗った。
「あっ、課長の奥様でございますか。初めまして、望月課長の下で働いております片瀬と申します」
 はきはきした女の声に、一言文句でも言おうかとしていた彩子は気勢をそがれていた。
「いつもはこんなことないんですけど、課長、今日は悪酔いしたみたいで。あの、急を要するご用件でしたら、私が代わりに……」
 『いつもは』という言葉が心に引っ掛かり、実直な夫を信頼して、単身赴任先での生活を疑うことのなかった彩子の心に小さな亀裂が走った。
夫の浮気という疑念に彩子は胸騒ぎを覚える。
(落ち着いて……。あゆみだって居るんだもの、拓雄さんを信じましょう)
 湧き上がった疑念を彩子は抑え付けた。まだ浮気の証拠はない。ただ酔っ払った夫を介抱しているだけなのかもしれない。
「いいえ、大した用事ではありませんのでまた後日掛け直します。娘のためにも躰に気を付けるようにだけ伝えておいてください。
片瀬さん、仕事でもないのに夫が面倒をおかけします」
「そんなことはないですよ。課長にいつも助けてもらってばかりいますし、恩返しみたいなものですから。それでは奥様、課長のことは私にお任せください。失礼します」
 静かに受話器を置き、彩子は溜息を吐いた。拓雄のことを慕っているような片瀬の口調にもやもやとした疑念が再び沸き起こる。上司としてならばいいが、そうでなければ……
 再び溜息が漏れた。あゆみの寝顔を確認してから一人寝のベッドに戻った彩子は、くさくさした気分を自分の指で紛らわせて漸く眠りに就くことができた。
そして三日連続で、父親との、そして飼い犬との行為を夢で見た。

 
[ 1211 ] Re:落日3-2-1
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時40分 ] 
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 朝になっても、拓雄は寝室に戻って来てはいなかった。昨夜の名残が残るシーツを剥いで新しいものに換えた彩子は、朝から陰鬱な気分だった。
(どうしてあんな夢を……)
 夫が出て行った後、一人自分のベッドに戻った彩子は夢を見た。
 実の父親との爛れた愛欲の日々。大きくエラの張ったペニスを勢いよく突き込まれ、いとも容易く頂上を極める夢を。
 そして、飼い犬とのおぞましくも甘美な行為。人間には為し得ない、彩子の奥深くに眠る獣性を解き放つ犬のペニスで何度も貫かれる夢を。
 そのどちらもが、牡の証に飢えた彩子を満足させるモノだった。そして、夢の中での行為を思い出した彩子は、
忌まわしさと甘美な陶酔とが入り混じった不思議な気持ちになるのだった。
 冷たい水で顔を洗って気分を改めた彩子は、リビングのソファで眠っている夫の姿を見つけ、溜息を吐いた。
テーブルの上にはウィスキーのビンとグラスが転がっている。二十年程前にも、似たような光景があったことを思い出し、彩子は身震いした。
「もう、拓雄さん、しゃきっとして。あゆみがまた心配するじゃない」
 情けない父親の姿をあゆみには見せたくないと、彩子は少し苛ついた口調で拓雄を揺り起こす。小さく呻くように返事をした酒臭い夫を立たせ、
ふらふらとした足取りを支えて寝室に連れて行った。
 結局その日の拓雄は、ほとんど家族と話すことなく、赴任先へと戻って行った。あまりにも元気のない父親の姿にあゆみは表情を曇らせ、彩子は苛立っていた。
 突然男としての機能を失い、呆然とする夫の心情は察するに余りあるが、そもそも誘いを掛けてきたのは拓雄の方で、
久しぶりに燃え上がりかけていた夫婦関係に水を掛けるような夫の仕打ちに、裏切られたような腹立たしさを彩子は感じていた。
 確かに二週間前は彩子の方に非があった。だが今はそれも解消済みになっているはずだった。ジョンとの過ちからずっと、
彩子を巡る状況は浮き沈みを繰り返している。中々上手くいかない現状に、彩子はくさくさした気持ちを抱え込んでいた。

 
[ 1210 ] Re:落日3-1-5
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時38分 ] 
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暗い表情のまま、膝立ちになった拓雄がパジャマとトランクスをずり下ろす。
「……!?」
 普通ならば激しい興奮を示しているはずの拓雄のモノは悲しげに項垂れたままだった。
彩子から視線を外したままの拓雄が唇を噛み締める。
「何で? ――何で勃ってないのよ!」
 驚きで声をなくしていた彩子が声を荒げた。
 二週間前に誘ってきたのは夫の方なのに。今日のためにセクシーな下着を新調し、ストリップまでして夫を燃え上がらせようとしたのに。
裏切られ、努力が水の泡になったことに彩子は苛立ち、不甲斐ない夫を攻め立てた。
「本当に、すまない……」
 股間のモノと同じように、拓雄は力なく項垂れている。二週間前に拒絶されたことが、拓雄の心に深い傷を残していた。
 項垂れた夫のペニスを見つめている彩子の子宮の疼きは最高潮に達していた。この疼きはもう、逞しい牡の証でしか消すことはできない。
役に立ちそうもない夫のペニスに、彩子は狂おしいほどの焦燥感に苛まれた。
(もうガマンできない! 早く、早く大きくなってよ!)
 彩子は拓雄の腰に縋り付くと、項垂れたモノを摘み上げて、その下にぶら下がっている皺だらけの袋に隠されている玉を口に含み、舌で転がした。
「あ、彩子!?」
 驚く夫を尻目に、淫魔に取り憑かれたような表情で夫の腰にしがみ付き、淫らな口戯を続けていた彩子は手と舌の攻めを入れ替え、
柔らかいままのペニスをはしたない音を立てながらしゃぶり始めた。
 一心不乱に淫らな奉仕をする妻の、初めて見せるその舌使いに拓雄は驚愕した。貞淑なはずの妻がこのような痴戯をいつ会得したのだろうかと不思議に思った。
「彩子……。まさか、お前……」
 ゆったりした服装から急にぴっちりした服装になり、妖艶なストリップで自分を誘惑し、首筋へのキスマークを求め、
口による奉仕までするようになったのは、浮気をしているのを隠すためではないだろうか。
 しかし、すぐに拓雄は、そんなはずはないと馬鹿げた考えを追い払った。妻は不倫などしていないと信じたかった。
 ペニスをやわやわと揉みながら、彩子は夫の腰に廻した手で後ろの窄まりを刺激する。ピクリと跳ね上がったペニスが少し硬さを取り戻し、彩子の口元に妖艶な笑みが張り付いた。
「ゃめろ……。やめてくれっ!」
 淫らな女に突然変貌してしまった妻に恐れをなした拓雄は、淫猥にまとわり付いていた彩子を押し退けた。
「あ、あなたっ……。どうして? あとちょっとで元気を取り戻せそうだったのに」
 突然の夫の拒絶を心外に思った彩子は、不満げな顔で夫を見上げた。
「ダメなんだ……。俺は男としてダメになってしまったんだ……」
 彩子から視線を外した拓雄はトランクスとパジャマを穿き直し、呆然としている妻を置いてベッドを降りた。
「すまないが、一人にさせてくれ……」
「ま、待って! 久しぶりだったんだもの。きっと緊張したからダメだったのよ。リラックスしてゆっくり楽しみましょうよ!」
 妻の必死の呼び掛けにも、肩を落とした拓雄は振り向くことなく寝室を出て行ってしまった。ドアの閉まる音が無情に響き渡る。
「何が悪いの? 私にはもう魅力が無いって言うの? ねぇ……」
 夫の出て行ったドアを見つめて彩子は呟く。そして脱ぎ散らかされた、派手過ぎる下着を拾い上げてゴミ箱へと放り込んだ。
[ 1209 ] Re:落日3-1-4
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時38分 ] 
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躊躇うことなく舌での奉仕を始め、妻の要求に素直に応える夫の頭を愛しげに撫で回す彩子は、脚を大きく開いて、腰を揺らめかせながら濃厚な愛情表現を愉しんでいる。
甘い嗚咽を漏らしながら、次々と押し寄せてくる快楽の波に彩子は身を躍らせた。
 拓雄の太い中指がわななく膣口に捩じ込まれ、左右に細かく振動する。
はしたない水音が断続的に発せられる彩子の嬌声と唱和し、もっととねだる声に夫は人差し指を加えて、ずぶ濡れの入り口にドリルのような抽送を繰り返した。
 指が根元まで突き入れられる度に、ぬらつく指と紅く肥厚した肉びらの間から薄白い愛液が水音を立てて漏れ出す。
細長い帽子のような包皮から頭を出している真珠を、拓雄の尖った舌が蹂躙する。
「ぁ、はあっ。拓雄さん、もうダメぇ。早くぅ、早くちょうだいっ!」
 子宮が疼き、膣の奥に感じる空虚感を埋めるモノを求めて彩子は腰を突き上げる。
指を締め付けながら、さらに太い夫の牡そのものの挿入をねだった。
「ぁくっ、早くっ、指じゃダメなのっ! ねぇ、あはっ、ねぇったらぁ!」
 しかし、妻の再三の求めにも、拓雄は無言のまま指の抽送を速めるだけだった。泡立ちながら溢れ出る蜜液が飛沫を上げてシーツに飛び散っていく。
「はあっ。はあっ。早くぅ。ねぇ、早く拓雄さんのが、欲しいのにっ。ぁあんっ、いやっ、もう、イキそうなのっ、早くっ!」
 ブルブルと震える腰が跳ね回る。拓雄は根元まで突き入れた指を曲げ、抽送からGスポットを激しく擦るような動きに切り替えた。
「あっ、ふあっ、いやぁ、きちゃうのっ、おねがいっ、はやくぅ、ああっ、はあああっ!」
 歓喜の叫びを迸らせて、彩子は夫の指で昇り詰めさせられていた。
 妻の痴態を暗い瞳で見ていた拓雄の指が、糸を引いて彩子の膣から引き抜かれる。汗にまみれた躰を横たえている彩子は、甘い嗚咽を漏らしてその指を惜しんだ。
「はあ、んっ。んふっ、気持ち好すぎて、拓雄さんの指でイッちゃったわ……。もう、拓雄さんのイジワルっ。――ねえ、どうして入れてくれなかったの?」
 牡の証を待ち望んでいた膣奥と子宮がまだ疼いている。昇り詰める前よりもその感覚は強く、鋭くなっている。
「彩子。すまない……」
「えっ? ――どう、したの?」
 拓雄の沈んだ声で、漸く彩子は夫が暗い表情で俯いていることに気付いた。
 
[ 1208 ] Re:落日3-1-3
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時37分 ] 
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その言葉に答えるように、強い力で豊満な乳房を揉み込んでいた拓雄の右手が、彩子の股間の蝶を捕らえに動き出した。
彩子は片膝を立てて夫の手を待ち構えている。蝶を捕まえた夫の指がしっとりと濡れたレース生地に触れた。
「はぁっ……。おっぱいが気持ち好すぎて、あはぁ、もう濡れてるのが分かるでしょ? ――ずっと待ってたのよ、
拓雄さんが誘ってくれるのを……。でも、この前は本当にごめんなさい、ぁふっ……、あんっ、ソコっ。ソコがいいのっ」
 妻の言葉を遮るように、拓雄の指が蝶の下に隠されていた彩子のウィークポイントを擦り上げた。拓雄は無言のまま、一心不乱に妻の尖り勃つ乳首を吸い、
Tバックの上縁から挿し入れた手で、肉厚の畝とその狭間にある隠された真珠と洞窟とを探っていた。
 徐々に官能の火を燃え上がらせている彩子に対し、拓雄の様子はどことなくおかしかった。
躰を寄せようとする妻から逃げるように腰を引き、下半身へと伸びてくる手をことごとく退けていた。
「ぁは、こんなにじっくり愛撫して、くれるなんて、すごくうれしいわ。んふっ、ねぇ、私にも、お礼をさせて……」
 妻のおねだりに動きを止めた拓雄のパジャマのボタンを彩子は一つずつ外し、はだけた胸にちょこんと載った、豆粒のような乳首に舌を這わせた。
拓雄の口から力の抜けた情けない声が漏れた。彩子の手が拓雄の下半身へと伸びる。
「あ、彩子っ、そっちはまだいい。――ずっと待っていてくれた彩子に、まずは気持ち好くなって欲しいんだ」
 上擦った声で彩子を止めた拓雄は、唐突に身を起こして彩子の足元へと移動した。
「えっ、でも……」
「いいんだ。ほら、このスケベな下着を脱がすよ」
 真っ赤なTバックに手を掛けてするりと抜き取ると、拓雄は妻の困惑を押し切って蝶の下に隠されていた茂みに顔を近付けていった。
「んふっ。もう、拓雄さんったらぁ、ぁんっ……」
 伸ばした舌でいきなり真珠の根元を掘り起こされた彩子は、腰を引き攣らせて甘い喘ぎを放った。
たちまち襲ってきた快感に、どこかぎこちない夫の態度に感じていたもやもやとしたものはどこかへと吹き飛んでいく。
「ぁは、ぃやぁ、だめぇ……。でも、気持ちいいのぉ、もっと奥まで舐めて……」
 
[ 1207 ] Re:落日3-1-2
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時36分 ] 
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しかし、彩子の期待とは裏腹に、夫はすぐに覆い被さってはこなかった。
「どうしたの? ねぇ、久しぶりに燃えましょうよ……」
 中々動き出さない夫の震えている手を取り、豊満な乳房にあてがった彩子は、熱い吐息を吐いて夫を誘った。漸く拓雄の手がゆっくりと動き出した。
 久しぶりに感じる夫の節くれ立った指先は、揉み方だけは忘れなかったかのようにゆっくりと這い回り、指の間に挟んだ乳首をさらに硬く勃たせてゆく。
彩子は目を閉じて満足気な吐息を漏らし、拓雄の頬に手を添えた。
「はぁんっ、気持ちいいわ。ねぇ、キスして……」
 拓雄の首に腕を絡めた彩子は、顎を軽く上げて唇が触れ合うのを待った。おずおずと触れた夫の唇を逃がさないように、
絡めた腕で頭を抱き寄せ、軽やかな水音を立てて下唇をついばみ、舌を挿し入れる。舌を絡み合わせる二人の間から彩子の甘い吐息だけが漏れていた。
「んむっ……、拓雄さん、愛してるわ……」
「あぁ、愛してるよ、彩子……」
 今度は拓雄が主導権を握り、妻の肉厚の唇をついばむ。耳たぶを甘噛みし、首筋に少し強めに吸い付いた。
「ぁあっ、もっと、痕が付くぐらい強く吸って。拓雄さんだけのものだって印を付けて!」
 白い喉を仰け反らせて彩子は喘ぎ、拓雄は妻の要求に応えるように自分の刻印を刻み付けた。
息を詰まらせた悲鳴を上げて躰を痙攣させた彩子は、吸われた部分から伝わってくるヒリヒリした痛みを飼い犬との過ちへの贖罪だと感じていた。
そして、改めて自分は夫だけのものだと確認した。
「おっぱいがジンジンするの。ねぇ、しゃぶって……」
 彩子の手が拓雄の頭を下へと誘導する。期待に震える白い双山の頂上に拓雄が音を立てて吸い付き、硬く勃ち上がっている突起を舌で舐った。
久しぶりに感じた甘美な痛みに、彩子は甘い嗚咽を漏らし、夫の髪を掻き乱す。反対側の頂上も同じように吸われ、浮かせた腰をもどかしげにくねらせた。
「ぅくっ……。いいのよ、もっと拓雄さんの好きなようにして……。私は拓雄さんだけのものよ……。ぁくぅ……」
 
[ 1206 ] 落日3-1-1
[ 名前:ma-xi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時35分 ] 
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落日 第三話「薄氷」



 拓雄が戻り、彩子は夫の世話を甲斐甲斐しく焼いていた。それは夫とのスキンシップを図り、少し不安気な様子を見せていたあゆみを安心させるためでもあった。
彩子の努力は功を奏し、誰もが心から笑っていた。ただ一人、妻の目を直視できない夫を除いて。
 そして彩子が二週間前の失態を埋め合わせる機会が訪れた。

 最近までの鬱々とした日々を吹き飛ばすような秘策を彩子は用意していた。
 ベッドサイドの灯りだけの薄暗い寝室で、いつものパジャマではなくガウンを羽織っていた彩子は、帯を解いて前をはだけた。
ガウンの下には、煽情的な赤いレースのハーフカップブラジャーとお揃いのきわどいTバックを身に着けている。この日のためにわざわざ買い求めたものだ。
「この前はごめんなさい。拓雄さん、今夜は思いっ切り楽しみましょうね」
 短く返事をした拓雄が布団をめくる。ガウンを床に落とした彩子はすぐには夫の所へと行かず、両手を頭の後ろで組んで妖艶に微笑んだ。
艶かしく躰をくねらせ、カップの縁から乳暈をはみ出させ、こぼれ落ちそうになっている豊満な乳房を揺らす。胸元には小さなクロスがキラキラと輝いている。
前屈みになった彩子は胸の谷間を強調し、挑発するように上目遣いで夫を睨み付け、驚きを見せる夫の顔に満足気な熱い吐息を漏らした。
 夫に背中を向けた彩子は、赤く細い線で二つに分けられた、たわわに実っている桃尻を揺らしながら、ブラジャーを外して床へと放り投げた。夫に向き直り、
両手で乳房を寄せてプルプルと揺らし、指先で尖り勃つピンクの突起を弾く。腰をくねらせて、躰の両側をなぞるように滑り下ろした手を股間にある蝶の意匠にかざした。
まるで、黒い茂みに止まっている蝶を捕まえるように。
 夫を燃え上がらせ、自らを鼓舞するためでもあったダンスを終えた彩子は、豊満な胸を揺らしながらベッドに近付き、夫の隣に躰を滑り込ませて静かに夫のアプローチを待っている。

[ 1205 ] Re:落日2-7-4
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時32分 ] 
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「はい、田宮動物病院です……。ああ、これはこれは望月さん、ジョン君との関係はあれから少しは改善しましたか?」
 電話の相手が肉感的な人妻であることを知って、田宮は相好を崩した。
「えっ!?どうしてそれを……」
 いきなり田宮にジョンとの不適切な関係を言い当てられたと思い、彩子は肝を冷やした。
「いやだなあ。この前ご相談を受けたばかりですよ。ジョン君も少しは言う事を聞くようになりましたか?」
 田宮の言う関係が散歩やイタズラのことであると知り、彩子はホッと胸を撫で下ろす。そういえば、あれからずっとジョンを散歩に連れて行っていないことを思い出した。
「あ……、ああ!いえ、それはまだどうにも……。実は、それとは別のことで相談に乗って頂きたいことがありまして……。お時間は大丈夫でしょうか?」
「えぇ、大丈夫ですよ。どうぞどうぞ、なんでもおっしゃってください。奥さんのためなら何でもしますよ。――何なら、そちらにお伺いしても好いぐらいですよ、ははっ」
 調子よく田宮は受け答えし、上手くいけばあの美しい人妻の日常を垣間見れるのではないかと期待した。
「ありがとうございます。で、ですね……、あの……」
(どうしよう……。電話したのはいいけど、犬の子供を妊娠するかなんて直接訊ける訳ないし……)
 どう話を切り出そうかと悩んでいた彩子の脳裏に、オヤジ顔をした滑稽な犬の姿がふっと浮かんだ。
「そうよ、人面犬よ!」
 好い口実が見つかったと、彩子は思わず電話口ではしゃいだ。
「――あの、奥さん?」
 大人しそうな人妻の、いつもとは違う様子に田宮は戸惑った。
「――す、すみません。実は人面犬のことでお訊きしたいことが……」
 田宮の声に我に返った彩子は、真面目な口調で正気を疑われかねない相談を始めた。
「じんめんけん!?――あの、もしかして、あの人面犬ですか?――オヤジ顔の?」
 思ってもいなかった頓珍漢な相談に、田宮の腰が砕ける。『じんめんけん』と言えばアレしかないよなと苦笑する。
「はい!そうなんです。あの人面犬なんです!」
 話が通じて、思わず彩子の声が大きくなる。
「はあ、アノ、ですか……。で、一体、人面犬の何をお聞きになりたいと?」
 頓珍漢な話題であってもちゃんと相談に乗れば、この人妻の点数を稼げるのではないかと田宮は気を取り直した。しかし、人面犬とは専門外もいいところである。
「あっ、あの、えーっと……。そう、子供が。子供が訊くんですよ。人面犬は人と犬の間にできた子供なのかって」
「ハァ!?――あの、それはまじめに答えた方がいいですか?」
 おかしな方向へと進む話題に、田宮はからかわれているのではないかと思い始めていた。
「ええ、是非。お願いします、田宮先生」
 だが、媚の含まれた人妻の声に田宮は鼻の下を伸ばした。
「他ならぬ奥さんの頼みですからねえ……。んっ、んんっ。いいですか?人と犬の間に子供は絶対に出来ません」
「そうなんですか!よかったぁ」
 願っていた通りの答に彩子がはしゃぐ。
「――それは確かなことですか?医学的にも証明とかされているんですか?」
「えっ、ええ。ヒトとイヌの染色体数は全くと言っていいほど違いますからねえ。万が一にもあり得ませんよ。――あの、それで、今度そちらに……」
「ありがとうございました、田宮先生!」
 獣医の答と医学的な確証を得て安堵した彩子は、お礼もそこそこに一方的に電話を切った。田宮は肩を竦め、呆然と見つめていた受話器を置いた。

 妊娠の危険性が全くないと判ってすぐに、遅れに遅れていた彩子の生理が漸く訪れた。ただ、頭では理解していても、
排泄される経血におかしなモノが紛れ込んでいるのではないかという不安から、ナプキンの中身や便器の中を直視することはできなかった。
 幸運なことに夫が戻ってくる前の日には完全に生理期間を終え、すんでのところで彩子は危機を脱していた
[ 1204 ] Re:落日2-7-3
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時32分 ] 
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半年後、深酒が祟り、祐介は肝臓ガンで呆気なくこの世を去っていった。
 禁忌を破ったことですべてを失くしてしまった彩子は、父方の叔母夫婦の元へと預けられた。
抜け殻のようになっていた彩子がまともな生活を送れるようになったのは、ひとえにこの温厚な叔母夫婦の存在のお蔭だった。
 高校を無事に卒業し、叔父の口利きで事務職に就いた彩子は、のちに職場の友人から拓雄を紹介される。彩子が過去の痛手から立ち直り、
実直な拓雄を心から信頼して結婚するまでには五年の月日を要した。
 あゆみを身籠ったことを告げるときには、過去からの魔手が忍び寄ったものの、懐妊を待ち望み、喜んでくれた夫の存在がそれを追い払ってくれた。
 そしてあゆみが産まれ、彩子は本当の家族の幸せを感じていた。
 もう思い出すことなどないと思っていた、父親との禁忌の行為。そして、飼い犬とのおぞましい行為。
(――でも、あのときとは違う。犬とだから。そうよ、まだジョンの子供を妊娠するかどうかも判らないじゃない)
 過去を断ち切り、幸せな日常を取り戻すため、彩子は田宮に相談すべく電話を掛けた。

[ 1203 ] Re:落日2-7-2
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時31分 ] 
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数万円の費用と短い堕胎手術によって、彩子に宿った小さな命の火は消された。
 心と体に空虚を抱えた彩子を待ち受けていたのは、地獄のような日々だった。
 禁酒を破り、以前よりも酒量の増えた祐介によって、彩子は事あるごとに殴られ、蹴られ、躰のあちこちに痣を増やしていった。
毎晩のように寝室に呼ばれ、否応なくレイプされた。嫌がらなければその時だけは優しい父親の顔で犯された。
 酷い扱いを受けていても、行く当てのない、まだ高校生の彩子には家を飛び出すことができなかった。心の片隅にあった、
もしかしたら元の優しい父親に戻るかもしれないという淡い期待も、いつの間にか消えていった。
 抵抗してもしなくても変わらない。ならばまだマシな扱いを受けられるようにと、彩子は抵抗することを止めた。
何を訊かれても父親の望み通りの返答をすれば、嫌な思いをせずに快楽だけは享受することができた。
心も躰も蕩けるような法悦とともに、その間だけはすべての辛い現実を忘れることができた。

 
[ 1202 ] Re:落日2-7-1
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時30分 ] 
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7   

 着替え終わった彩子の隣に座っている祐介はイライラしていた。
 超音波検査で撮影された写真には、黒い空間に浮かんだ小さな白い影が写っていた。
 温和そうな産婦人科医は彩子に最後の月経がいつだったのかを訊き、その影を指差しながら、
妊娠三ヶ月と診断した。そして、堕胎には肉体的なリスクが伴うことを説明して、彩子の意思を確認しようとした。
「コイツの意思なんてどうだっていい!コイツの躰がどうなろうと構わない。
死ぬわけじゃないんだろ?アンタはおとなしく、この忌まわしい子供を堕ろせばいいんだ!!」
 医師の質問に祐介が立ち上がり、半狂乱に叫ぶ。今にも掴みかかってきそうな必死の剣幕に医師が身を縮こまらせた。
「やめて、お父さん!」
 娘の悲痛な叫びに祐介が振り返る。うつむく彩子は、両手でお腹を大事そうにさすっていた。
「分かってる、分かってるから……」
 漸く彩子は理解した。祐介が自分のことしか考えていないことに。愛していた父親への想いが音を立てて崩れていく。
そして、まだ完全なヒトの形をしていない奇怪な影が、祐介の言う通りに忌まわしいモノにしか見えなくなり、途端に吐き気を催した。
「――レイプされたんです。自分のことしか考えていない、最低な人に。だから、そんな人との間に出来た子は産みたくありません……」
 顔を上げた彩子は泣き笑いの表情で医師にそう告げ、それを聞いた祐介は一瞬顔を強張らせてから彩子を睨み付け、むすっとした表情で椅子に戻った。

 
[ 1201 ] Re:落日2-6-4
[ 名前:maxi  [ 日付:2010年11月12日(金) 02時29分 ] 
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数日後、彩子は父親に連れられて違う市にある産婦人科で診察を受けていた。
 軽い問診の後に通された内診室には、歯医者にある診察台に似た台が鎮座していた。
普通の診察台と決定的に違うのは、半円筒の台の付いた支柱が両脇にあり、真ん中あたりに仕切りのためのカーテンがあることだった。
 検査着に着替えた彩子は、パンティを脱いで用意されていたカゴに入れた。
看護婦の指示に従って内診台に乗り、半円筒の台に脚を載せる。ストラップで脚を拘束され、
検査着の裾が捲られた。大事なところをさらけ出す恥ずかしい格好に、彩子は顔を赤らめ、
同性とはいえ他人である看護婦の目から大事な部分を手で隠した。
「手は胸の辺りで組んでおいてね。隠してちゃ、診察できないでしょ?」
 しぶしぶと彩子は言われたとおりに胸の前で手を組んだ。看護婦が仕切りのカーテンを閉める。
カーテンの向こうでこれから何が行われるのか、少し不安になった彩子は肩を抱き竦めた。
「消毒するから、ちょっと冷たいわよ。我慢してね」
 カーテンの向こうから看護婦の声が聞こえ、アルコールで浸したガーゼで太腿やお尻の方までもが消毒される。
アルコール特有のスーッとする感覚に彩子は身を震わせる。程なくして看護婦が医師を呼んだ。

「診察を始めるね。緊張しないで、って言っても無理かな?」
 カーテン越しに彩子に掛けられた穏和で優しい人柄を想わせる声は、彩子の緊張を解こうと少し戯けた調子で言った。
診察する医師が男性であることを知って、彩子は逆に躰を硬くした。
 カーテンの向こうが少し明るくなり、ゴム手袋の指先で大陰唇を押し拡げられる。診察のためとはいえ、
知らない男性にアソコを見られるのはとても恥ずかしかった。
 ゴム手袋に包まれた医師の指が膣内を探る。父親の指と舌による執拗な洞窟探検を思い出して、
思わず甘い声が漏れそうになったところで指が引き抜かれた。
「膣の中を見るための器具を入れるからね。ちょっと冷たいかもしれないけど我慢してね。それと痛かったら正直に言ってね」
 一応温められてはいたものの、冷たい金属製のクスコが彩子の膣に挿し込まれた。少しずつ金属製の嘴が拡がり、
子宮口までもが医師の目に晒される。彩子は胎児の父親が、外で待っている実の父親であることを医師に知られるのではないかと不安になった。
「炎症なし。膣内に着色が認められます。超音波検査の用意を」
 クスコが引き抜かれ、カーテンの向こうで何かの機械を準備しているのが音で判った。意外と大掛かりな装置らしい。
「ローションを塗るから、少しヒヤッとするよ」
 再び拡げられた陰唇の間に冷たいローションが垂らされ、彩子は躰を硬くした。
「今から超音波プローブを入れるね。さあ、深呼吸して……。そう、リラックス、リラックス」
 父親のペニスよりも細くて冷たいプラスチックの棒が、胎内を隅々まで探索する。カーテンの向こうから微かに漏れてくる医師たちの話し声に、
彩子は胎児の父親のことを話しているのではないかと再び不安になっていた。
 数分が経ち、やっとプローブが引き抜かれた。
「はい。検査終了。着替え終わったら診察室に来てください」
 医師が立ち上がり、内診室を出て行くのが分かった。また、看護婦にガーゼで下半身を綺麗にされた彩子は、漸く内診台の上から解放された。


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