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2003/12/17(水)

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Entrance Hall で「現界への望楼」が横長になっちゃってるのは、それなりの(しょーもない)理由がある。今回「現界への望楼」では、コミックスと、書籍と、ついでに指名手配書が同時に更新されたのだが、「最新更新日」の行でこの3つそれぞれについて“+2”とか“-2”とか書くと、以前のようなページ半分の幅ではどーやっても1行に収まらない。仕方がないので、今回のみ「現界への望楼」は2コマ分を占領することにし、とりあえず1行に表示できるようにしたわけだ。従って、次回以降の更新では、元通りページ半分の幅に戻すことにする。

ついでに言うと、「現界への望楼」の更新日は 2003/12/15 と表記されているが、実際に更新されたのは 2003/12/172003/12/16 の午前1時ころ。更新作業を始めたのは15日の22時ころだったのだが、作業しているうちに日付が変わってしまった。リンク先の id とかは15日のつもりで“c20031215-1”とか書いちゃってたし、直すのも面倒なので15日ということでアップしてしまった。はっはっは。(← 笑ってごまかす)


むかし、女(むすめ)ありけり。年の頃とて貧しかりけるが、いずれにか縁(えにし)あらんとて、父母(ちちはは)とともに居りたり。

いずこよりか猿ども来たれり。山にて木のごとく野にて草のごとき数にて、山野にありしもの田畠につくりしもの、みな失せり。つひには人にさへかからんとすれば、みなおののきて屋にこもりたるなり。やがて餓えたればとて出でて逃ぐるものありしが、猿の追いて捕らえるにて死せり。

いかにせむとて、ひそかに集いたるも虚しうなれば、翁の出でていはく、「むかし山に白き犬ありて、人、山に入れざるなり。さればとて女(むすめ)をおくりて縁を結びしより、女(むすめ)の縁にありつる者なればとて、人、山に入りたり。また縁のあれば、犬の助けることもあらむ」。

他にすべもなしとて、父母の女(むすめ)にて犬と縁を結ばんとす。されど山に猿どもの居れば、いへにて犬をよばわんとて、人集いてこゑあぐるなり。また情もちて呼ぶべしと女(むすめ)の衣はぎて犬のごとく構えさせ、父母の手にて足ひらかせて撫づりまさぐれば、つがいのもとむがごとく愛し(かなし)き女(むすめ)のこゑにて、人みな犬のありやとかへり見るなり。

月の出づるころにて皆うち疲れしが、いまひとたびとて父のいひし、「わが女(むすめ)の良き縁とて白き犬もとめたり、わが女(むすめ)に犬の仔さずけたまへ、わが家(いへ)の末を犬と為して栄えさせたまへ」。戸のうち倒れて犬のあらわれし。

さてもかの白き犬の来たりしかと思へば、父と母とて、かしこまりて奥へと招きたり。女(むすめ)の腿ひらきて犬の縁(えにし)の賜らんとす。奇し(あやし)きことなりと人の立ち見るに、「すべ無しと言へど、いかで悪しきさまなり。人の犬なるは神つ罪なり。とどまるべし」言ふものあれど、父の答へていはく、「されば見るべし。罪なるとて、女(むすめ)の求むるなり」

父母の撫づる手のとく止みたるに、女(むすめ)の腿、腹、犬の近づきたるを息吹きにて知りたれば、露のこぼれて泣きたるさまにて後ろよりゐざり寄れば、犬の白き腹よりくれなゐたる艶になりたるものありて、人の見るうちに女(むすめ)に入りて失せるなり。女(むすめ)泣きてむせぶなれば、人の言ひていわく「縁(えにし)さへとて求むるに、好しと思はんなるは浅まし。犬にて人に非ず」。また人のいわく「願ひて結ばんとする縁(えにし)なれば、子の無きは縁の無きがごとくなり。その胎に仔のやどるを求むるべきなり。奏ずべし、好しや、好しや」。されど女(むすめ)の答へていわく「いかで人の犬の仔をやどすなりか。ただ縁(えにし)の嬉しきなり。あ、好しや、あ、好しや」

父、母、わが女(むすめ)のことなれど、そのありさまを見れば情のさゐさゐしくて、おのずから奏したてまつるなり。「これはわが女(むすめ)にても、人に非ず、犬なり。犬の犬なりて犬の仔を為すは理(ことわり)なれば、女(むすめ)を犬の妻と為すも理(ことわり)なり。わが家(いへ)は犬なりと言ふも理(ことわり)なれど、さればその理(ことわり)を明らめんと、犬の仔の女(むすめ)より分かれるを見させたまへ。わが女(むすめ)は白き方に献じられしものなりて、飽くるともまぐわひたまへ」

白き方は聞き愛づともあらぬさまにて、女(むすめ)をつらく責むれば、好しやとむせぶままに、女(むすめ)の背に尾をかへして尻を合はせり。女(むすめ)の狂はんといとど泣くを聞きて、やう、眼(まなこ)の糸のごとくして心地ゆくさまなり。犬の交合ふの障りなきとて、さにあるべし。

白き犬、女(むすめ)の泣くをいと楽しと思ひしか、月の消ゆるまでまた俯(かぶ)さり、尻を合はせ、三たび、四たび、交合へり。父母、人、飽かずして、また仔を為さんと喧(ののし)れば、父母もこそ犬の親なると人の下ぐるを聞きて、また好しやと言ふを、この女(むすめ)は犬より下ぐるなりと人の言ふなり。

後にては山野に猿の居ずして、白き犬たてまつる者おほし。


訳:

その昔、あるところに娘がいた。年頃になっても貧しかったが、そのうち良い縁もあるだろうと思って、両親とともに暮らしを続けていた。

あるとき、どこからか猿の群れが来た。その数はまるで山に生えた木のような、あるいは野に生えた草のような(大変多い)もので、山野に生えたものも、田畑で作っていた作物も、全部(猿に喰べられて)無くなってしまった。ついには人間まで襲うようになったので、みんな恐ろしくて家の中に閉じこもってしまった。そのうちに餓えに堪えかねて家の外に出てどこかへ逃げようとする者もいたが、猿に追いかけられ、捕まって殺されてしまった。

いったいどうしたら良いだろうか、と人々はこっそり集まって相談したが、何も良い考えが出ない。そうしているうちに、一人の老人がこう言い出した。「その昔、(このあたりの)山に白い犬がいて、人間は山に入れなかった。そこで娘を犬のところへ差し出して結婚させ、その娘の縁者であるから、ということで人間も山に入れるようにした。今回も犬と縁を結べば、助けてくれるということもあるのではなかろうか」

他によい方法も無さそうだったので、(上記の)夫婦が自分たちの娘を犬と結婚させることにした。とはいえ、山には猿たちが居るので(こちらから山に行くことが出来ないため)、自分たちの家に犬のほうを呼ぶことにして、人々を集めて(みんなで)声を上げて犬を呼んだ。さらには気持ちを込めて呼ぼうということで、娘の衣服を剥いで犬のように四つん這いにさせ、両親が自分の手で(娘の)両足を押し開き、撫でたり弄んだりした。(そうされながら娘が犬を呼ぶ声はまるで)自分の番いを呼んでいるような哀切に満ちた声音だったので、牝犬でもいるのかとみんなが振り返って確かめるほどだった。

そのうち月が出る頃になり、みんな疲れはててしまった。しかしもう一度だけとばかりに、娘の父親がこう言った。「私の娘の良縁にと、白い犬を探しています。どうか私の娘に犬の仔を授けてください。私の一族の子孫を(人間ではなく)犬に変えて繁栄させてください」そのとたん、家の戸が打ち倒され、犬が現れた。

さてはこれこそあの白い犬が来たのかと思って、父親と母親でもって、最大限の礼をあらわしながら犬を家の奥へといざなった。そして自分たちの娘の太股を押し開いて、犬と血縁を結ぼうとした。これは滅多にない見物だということで、人々が立ち囲んで見守っていたが、中の一人がこう言い出した。「他に方法がないとは言え、こんなことはどうしようもない悪事だ。人を犬にするような事は、これ以上ない罪悪ではないか。やめるべきだ」それに対して、娘の父親が言い返した。「それなら見てみろ。罪悪だと言っても、娘のほうが望んでいるではないか」

両親はとっくに撫でたり弄ったりするのを止めているのに、娘の太股や下腹部は、犬が近づいて来た息づかいを感じたのか、まるで朝露がこぼれるかのように滴をしたたらせていた。そんな有り様で後ろ向きに這い寄って行くと、犬の下腹部から緋色になったものが現れて、人々が見守るうちに、娘に突き入れられ、見えなくなってしまった。(そんなふうにされて)娘がむせび泣く様子を見て、誰かが言った。「とりあえず犬と縁結びさえすれば目的は達せられたのに、それで(気持ちよいと)感じてしまうのは、いかにも浅ましい。(そんなのは)犬であって、人間ではない」。また他の人が言った。「(そうは言うが)こちらから是非にと願い出て縁を結んだのだ。もし子供が出来なかったら、縁など有って無いようなものだ。犬の仔を受胎するようにと願うべきではないか。(犬に)申し上げろ、『素晴らしいです、ありがとうございます』と」。だが娘が答えて言うには、「どうやって人間が犬の仔を孕むなんて出来るでしょう。(私は)ただ縁を結べただけで嬉しいのです。ああ、素晴らしいです、ああ、ありがとうございます」

両親は、自分の娘のこととは言え、この有り様を見て心が騒いでならず、ついに自ら(白犬に対して)こう申し上げた。「これは私たちの娘ではありますが、人間ではありません、犬です。犬が犬と結婚して犬の仔を孕むのが当たり前ならば、私たちの娘を(あなたという)犬の妻とするのも当たり前でしょう。さらには私の血統が犬だと言われても当然ですが、それならその理屈を正しいとする証拠として、私たちの娘が犬の仔を分娩するところを見せて頂きたい。(もとより)私たちの娘は『白いお方(=白犬のこと)』に献上されたものですから、どうぞ飽きるまでいくらでも交合ってくださいませ」

そう言われた『白いお方』は、それを聞いて感心したという様子もなく、娘を無慈悲に責め立てた。責め立てられて娘が「ああ素敵です」とむせび泣くのをそのままに、(犬は)娘の背中へ自分のしっぽを載せるように向きを変えて、尻と尻を押し合わせた。そうして、娘が狂ったように激しく泣くさまを聞いて、ようやく眼を糸のように細めて、満足そうな様子を見せた。犬が邪魔も無しに交合うときは、きっとこんな様子なのであろう。

白犬は娘がそんなふうにむせび泣くのが大変悦しいと思ったのか、月が没するまで、ふたたび娘に覆い被さり、尻を突き合わせ、三度も四度も交合った。両親も人々も、飽きずにそれを見物し、また「犬の仔を孕め」などとはやし立てた。誰かが「それならこの親たちも犬の親だろう」と軽蔑したような調子で言うのを聞いて、娘が「ああ、イイ」と言う。それを聞いて「この娘は犬よりさらに下品だ」と人々は言い合った。

その後、そのあたりの山野には猿は居なくなり、また白い犬を崇める人々が多くいたという。


うおおおおおおおお、バ、バカヤローーーーッ!! もう午前4時じゃねーかっ!! くそう、これじゃ17日の日付で出すしか無いじゃんかよぉ(泣)。

いや、それより仕事が……、平日だし。(-_-;;;

ったく、出来もしない古文で書こうとするから……。ちなみに私は、古文に限らず語学は思いっきり苦手なので、上記古文の文章がなんか変だったとしてもあまり追求しないこと。しかも、訳文もなんか変なんだよな。うむぅ。

……寝よ。

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