【第2話】第2話


穴交町二丁目16番地・廃屋の庭────

穴交町では廃屋などがあると、すぐに猿達の群れる絶好の溜まり場となってしまう。人間達から餌をもらったり、あるいは人間達の残飯を漁ったりして、食べ物を調達してきては、そこで調達してきた食べ物を分け合い、思い思いにくつろぐのだ。人間が滅多に来ない分、大抵はみな、とてもリラックスしている。

だが今、そこの雰囲気は珍しく緊迫していた。

まるで今からボス猿の交代劇でも行われようかというほど、空気が張り詰めている。

その群れのボス猿はギンジといった。この名前は穴交大学動物行動学科ニホンザル穴交町種研究班が付けた名前だ。名前を付けた学生達の話によると、片目が古い傷に傷付いてて、森の石松みたいになっている所が、いかにも「ギンジ」という感じがするからだそうだ。森の石松みたいだというのなら、「ギンジ」じゃなくて「石松」じゃないかと思うのだが、どうも、それはまた違うらしい。

彼らアイブザル達の間で使われている本当の名前もあるにはあるのだが、人間の言葉で発音する事は不可能であった。なぜなら、彼らの言語は、その大半が身振り手振りのジェスチャーだったからだ。

そしてこの廃屋の庭の垣根の外から、彼らの様子を伺い見ているのがこの私、穴交大学動物行動学科の教授にして、穴交町随一の獣姦画像コレクター、穴交町デバガメ界の第一人者・竹本真一郎だ。彼らアイブザルの研究は、私にとって、ライフワークといって良い。だが、今私が観察の対象としているのは、山猿の群れや、そのボスのギンジではなかった。

群れの主要なメンバーの面々に取り囲まれて、もう一匹、この群れに属していない猿がいる。テレビでも度々でくる、「けっこう猿軍団」のリーダー、ケンタだ。

言ってみれば、猿回しの猿なのだが、実は彼こそが、今私が調査対象としてもっとも注目している猿であった。私が隣の民家の庭に勝手に侵入してまでここに身を隠しているのも、彼を追っての事だった。

「よせ。今日はそんな縄張り争いなんかで来たんじゃないんだ」

ケンタが腕を振り回し、跳ね上がるような仕種を織り交ぜた、彼ら自身の言語で言う。それに対してギンジが

「ふん。調子のいい事言いやがって。ああ、おめぇの言ってる事はわかるぜ。人間様の雌を犯して人間様と猿が平等だって事を人間様達に思い知らせてやろう、てんだろう?」

と、同じように身振り手振りで言って返す。

「てめえの仲間になってな!ふざけた事抜かすんじゃねえ!!そりゃ、てめぇの指揮に従えって事じゃねぇか!大体、おめぇみたいに人間様からオマンマもらって口過ぎしてるような奴に、そんな事言われったってなあ、説得力ねぇーっつうんだよ」

ギンジの言い草に、ケンタの口許が怒りに震えるようにピクピク動く。

私には、ケンタの気持ちが手に取るようにわかった。だが、それを説明する為には、やはりこのまま私の視点からの説明を続けていては、不十分な表現になってしまうだろう。ここからは、前章と同様、私の視点を離れて、彼ら自身の視点を模した形で書き綴る事にしたい。・・・



ケンタは今にも歯茎を剥き出しにしてしまいそうだった。それは、相手に対する、おおっぴらな怒りの意思表明である。「言ってわかんねぇんなら、身体でわからしてやるぜ!」と叫ぶのと、全く変わらないのだ。

相手は、あきらかに挑発してきていた。

だがここで、相手の挑発に乗って「売られた喧嘩を買う」事になったら。

群れのボスにとって、負ける事は許されない。

ケンタが勝ってしまえば、ケンタがボスに祭り上げられてしまうだろう。それは、ケンタの本意ではなかった。しかしまた、それだからといってたとえ辞退したとしても、群れの信任を失ったギンジが、ボスとしてはいられなくなるだろう事は容易に想像がつく。

そう思うとケンタは、ここで軽はずみに怒りを露わにしてしまう事は出来ないのだった。だが

「てめぇもアタマぁ狙ってんだったら、屁理屈捏ねてねぇで、自分の腕でシマぁとりやがれ!」

とギンジが叫ぶ、と同時に地を蹴って殴り掛かってきた。ケンタの反射神経がほとんど自動的に動き出す。その拳を半身になってかわしざま、足をツイと伸ばしてギンジの足を払っていた。

ギンジのスピードそのままの勢いで、ギンジ自身の身体が宙を飛んだ。ケンタの後ろに積んであった空のビールケースにまともに突っ込んでいく。

ギンジが受けたダメージ以上の派手な音をたてて、ビールケースの小さな塔が崩れた。

「・・・味な事するじゃねぇか」

背後から襲われる隙を作るまいとするように、ギンジはピョンと飛び上がって態勢を整えた。燃え立つような怒りを込めて、ケンタを睨みつける。

ケンタは心の中で「しまった」と思う。だが、もう遅い。こうなっては頭を切り替えるしかなかった。

「よーしわかったあ!」

猿の世界は、体面とプライドだけが全てだ。もちろん、カシラとなってみんなを引っ張っていく、というのでなければそうでもないのだが、この場合は、躊躇が長引けば長引くほど、他の猿達の信頼も薄くなっていく。カシラになるつもりがなくとも、賛同を得たいと思ってやってきたケンタにとっても、この点は無視出来ないものだった。

山猿のボスなんて面倒なだけだったが、ケンタは意を決して立ち位置を整えた。

その時、風に乗って、ケンタの感覚を激しく揺さぶる匂いが、微かに漂ってきた。

これは、人間の雌の匂い、しかも、生理の匂いだ。

ケンタは走り出していた。ギンジが慌てて身構える。だが、ケンタが走り出した先はギンジのいる方向ではなかった。

ギンジから2〜3メートル離れた所に柿の木が生えている。その柿の木をスルスルとよじ登って、ケンタは幹に掴まり、枝の根元に立った。ギンジがその後を追う。

その枝は塀を乗り越えて、外に面する往来の上にまで掛かっていた。

往来は住宅街の中を抜ける小さなアスファルトだ。見下ろすと、お遣いの買い物帰りらしい一人の少女が見えた。

「あ、泉川さんちの未結ちゃんだ」

と心の中で呟いたのは、彼らを塀の向こう側から覗いている竹本だった。その少女が歩いてくる方向は、ケンタ達から見て右手の方向だったが、竹本のいる方向はその逆の左側であった。それ故、ケンタ達から死角となって彼女の姿を認める事が出来たのだ。

竹本は、長いテバガメ歴とたゆみない情報収集活動のおかげで、穴交町の可愛い女の子の名前をほとんど覚えてしまっていた。向こうはこっちの事を知らないと思うが。

しかし可愛いといってもまだ小学生である。竹本の趣味範囲の広さが伺われる。

白いビニール袋と、頭の上で左右二つにまとめて結った長い髪が、歩く度に揺れていた。ちょっと紫がかった淡いノースリーブのシャツの肩口から、大胆に肌を露出させているのがおませな感じだが、薄ピンクのミニスカートから伸びる細い脚はカモシカのように華奢で、まだまだ幼い印象を与える。

泉川未結(みゆ)。というのがその少女の名前だった。もちろんケンタもギンジもその名前を知らない。

未結は、行く手の上の方に猿の姿を見付けると、「あ」と呟いて立ち止まった。足元をキョロキョロ見回す。と、路傍に手頃な石を見付けて拾い上げ、「あっちいけー」と投げ付けた。

石礫(つぶて)はケンタたちの所まで届かず、放物線を描いて塀を叩くだけだったが、その恐怖や侮蔑の思いは、確実にケンタの方にまで届いていた。もちろん、未結にしてみたら、侮蔑してるなんて自覚はさらさらなくて、ただただ、近くに大人もいないのに猿が頭上の木の枝にいるような所を歩いていくのが怖かっただけなのだろう。だが、猿と人間は平等なのだと「開眼」したケンタにとってみれば、それこそが侮蔑以外の何物でもないのである。

大抵は石を投げつけたら、猿の方から逃げてくれる。実際、ギンジもそこから立ち去ろうとした。それが礼にのっとった行為であるというように。だが、ケンタは動かなかった。 未結が不審と不安を募らせて、更に、石を投げ付けてくる。

「なんだてめぇは」とギンジも、動こうとしないケンタに不審の目を向けて言い咎めた。

そのギンジに、ケンタは「見てろ」と言うが早いか、往来の上に掛かった枝の先に四つ足で駆けていき、ケンタ自身の重みで枝がしなった所で、頭を下にしてアスファルトの上に降り立った。そのまま少女に駆け寄っていくケンタの背後で、枝が衝撃に耐え切れなかった細い部分からポキリと折れ、地面に落ちる。

未結は、目の前の猿のその予想外の行動に、驚いてしまって動く事が出来なかった。否、何が起こっているかも、その瞬間にはわかっていなかったかも知れない。

未結が恐怖に押し潰されたような悲鳴を上げたのは、ケンタに襲い掛かられて、横ざまに押し倒されてからの事だった。否、押し倒されたのかそれとも逃げようとして脚をもつれさせたのか、それすらも判然としない。気が付いた時には、薄ピンクのミニスカートの下の細い脚が、ケンタの毛ムクジャラの腕に抱え込まれていた。

「ひゃああ!ひゃあああっ!」

いやあいやあ、という悲鳴が、焦って息を吐くのとタイミングが合わず、喉から空気が漏れてるような、ひゃあひゃあという声に聞こえる。ここら辺りの家はほとんどが大きな庭を持った大邸宅で、こんな声では、とても中にいる人間には誰にも届くまいと思えた。

猿の無骨な手が、少女の脚を押し開く。ミニスカートが持ち上がって、白いパンティが垣間見えた。

気持ちの悪い、獣の手。生き物の、熱い体温。欲望そのもののような、荒々しい息遣いが太股を舐める。

買い物のビニール袋はとっくの昔に道端に投げ出され、未結は空いた手で必死に猿の頭をそこから引き剥がそうとしていた。だが、猿のおぞましい舌が、股間の近くをベロベロと這い回る。未結のその部分はたちまち猿の臭そうな涎でベトベトにされてしまった。

猿の手が、未結の下半身をよじ登るようにスカートの中に入っていき、パンティに指を掛けた。

スルリ、何の障害もなくパンティをずり下ろされる。クロッチの部分に分厚いナプキンが貼り付けられていて、経血の赤い汚れが晒された。

夕刻近いとはいえまだまだ日の高い真昼の明るい道端だ。未結は下半身の恥ずかしい部分をその光りの中に晒し出される、その想像を越えた恥ずかしさに、恐怖を忘れて顔を真っ赤にした。

「やめ、やめへぇ」

涙に潤んだ声は言葉の態をなさない。膝を寄せて隠そうとする秘密の谷間はあまりにも儚げで、それだけによりいっそう、蹂躙したい牡の欲望を煽るようだった。匂ってきそうほど濃い息を吹き掛け、ケンタの舌が這い登ってくる。スカートの中に頭を突っ込まれて血に汚れたアソコを直視されているからか、それとも肌を嬲る猿の舌が徐々にそこに近付いてきているせいか、未結のその部分はひどく過敏になっているようだった。

「あ、やっ・・・!」

ヒクンと背筋を跳ねさせる。幼い合い目が、ぬめっとした舌で、生まれて初めて抉じ開けられようとしているのだ。羞恥に身悶えしているのが、生まれて初めての感覚に戸惑っているようにも見える。こびり付いた恥ずかしい血を舐め取られている様が、はっきりと感じられて、堪らなかった。だが頭を振って拒み続けても、猿の舌は未結の肉裂の内側を上下上下に執拗になぞって、その内部に隠された未発達な性感を、確実に剥き出しにさせつつあるようだ。

「マジかよ。本当に人間様を襲ってるぜ・・・」

ギンジは呟いて、唖然とした心持ちのまま、木の上から塀の上を経由して地面に降り立っていた。

激しいカルチャーショック。そして、股間に感じる、肉の昂り。ギンジは我知らず、誘われるようにフラフラ近付いていっていた。

「うふふ。何がいやだって?ここがもう、こんなになってんのに」

一般の人間にはわからない猿の言葉で嬲り始めながら、ケンタが顔を起こす。言葉責めは半ば習性化したアイブザル達のごく普通の愛撫だ。敏感な太股の表皮を嬲っていた黒い細長い指は、今は綻びかけている繊細な肉溝を弄っていた。その指先が、微かに濡れている。どこかに何かが当たる度、未結は「あ、あ、」と声を上げ、生まれて初めて感じさせられる得体の知れない感覚に、恥じらい戸惑っているようだった。

そして指はにゅるにゅると蠢きながら、秘肉の上方を探り出す。

「あは、ひっ!だめっ」

未結は身体をバウンドさせて、一際大きく見悶えた。まだ顔も出さない肉芽の盛り上がりを、表皮の上から撫で摩られたのだ。

「あ。あ、なに。あっ、ああ!」

「おーおー。処女のくせにこんな事されて感じてんやんの。いやらしいお嬢様だなあ」

淫らな親指と人差し指が、痛烈な快感の針を神経に送り込み続ける。未結は激しく反応してしまう自分の身体がとてつもなく恥ずかしくて、抗う言葉を何度となく口に登らせようとした。だが、息苦しくてそれすらかなわない。

そんな状態だったから、ケンタが上体をずりずり持ち上げてくるのにも、未結は全く気付かなかった。

突然野太い物を押し当てられる。何だろうと思うか思わない内に、その野太い物がグググッと押し入ってきた。

「くひい・・・!」

膣がムリヤリに押し開かれ、股間を引き裂かれたような痛みが未結を襲う。涙が滲み、歯を食い縛った口元から涎が零れ落ちた。が、とてもそんな事に構ってはいられなかった。

「はひぃ、はひぃ」今まで出した事もないような奇妙な呼吸音を出している。気が付くと、股間が猿の腰に密着していた。

痛みと、信じられない思い。頭がグルグル回る。

ケンタはすぐには腰を動かさず、未結の頭の上の、束ねられた髪の毛の片方をその束ねた根元から掴んで、自分と未結の間の隙間を見せ付けるように俯かせた。

「ほーら、見てごらん。お嬢様の中に、ボクの汚らわしいチンポがずっぽり嵌ってるのが見えるだろー?」

猿の言葉はもちろん、未結にはわからない。だが、それを見せ付けられるだけで、今の未結には十分だった。

絶望が下腹部の痛みを凌駕する。信じられなくて、信じたくなくて、その部分から目が離せなくなった。

ケンタが、もっとはっきりと見せ付けてやろうと、覆い被さるようにしていた身体を僅かに起こす。

身体の奥底で、ずるっ、という感覚が起こり、僅かに引き抜かれた感じがした。

毛に覆われた猿の温かい腹と、自分の滑らかな白いお腹の間に、未結を驚愕させるモノが見えてくる。

こんなモノが

口には出さなかったが、未結の表情は正しくそう言っていた。猿の股間から生えた肉の杭が、ぎっちり未結の身体の中に食い込んでいる。

その未結の絶叫数秒前といった顔を見てようやく満足したのか、ケンタは突如として猛然と動きだした。

「ぎはあああっ!」

処女膜を突き破られたばかりの傷が、牡の荒々しさで掻き毟られ、新しい血を垂れ流す。

結構な悲鳴だったのに、近在の者は誰も、出てくる気配がなかった。

仰け反って暴れ、その暴れる力さえすぐに費える。悲鳴を上げたのは最初の一度だけで、後はもう、痛みを耐えるのだけでいっぱいいっぱいだった。耐え難い痛みに必死で耐えて、全身に力が入る。

責め苦は十数回ほどに及んで、ようやく引き抜かれた。

猿の挿入は短い。短い挿入を、何度も断続的に繰り返すのが、猿の交尾だ。

しかしまだ苦痛しかない未結には、その責めは恐ろしく長く感じられた。まるで嵐の中にいるようだった。引き抜かれる時も、怖くてとても腹の方なんかに目を向ける事は出来 なかったが、ずるずると、どこまでも抜け出ていくような気がした。

真っ赤になった頬に、幾筋もの涙の跡を走らせて、未結が“はぁはぁ”と息をついている。起き上がって逃げる気力もないのだ。

未結は終わったと思っていた。だが

ケンタは未結から身体を離しながら、ギンジの方に振り向いて言った。

「どう?ギンジも。人間様の女の子」

「お。い、いいのか」

ギンジが、恐る恐るといった様子で近付く。口調や顔つきは“恐る恐る”といった感じだが、股間の欲望は“恐る恐る”どころではなかった。激しく憤って、そそり立ち、あまつさえ先端からは透明な汁まで溢れさせている。

未結の受難はまだ終わっていなかった。むしろ、始まったばかりだったのだ。

ギンジが未結の両方の膝をがっしりと掴まえた時、未結は始めてギンジが、──他の猿がもう一匹そこにいる事に気付いたようだった。

恐ろしいモノがまた、未結のソコを狙っている。

「い、や・・・ひやあ!・・・やはあっ!」

恐怖が未結を掴まえた。呼吸が引き付けを起こしたように乱れて、悲鳴がうまく出せない。

処女喪失の血と経血にまみれて、薄く口を開けた肉裂が、再び猿の剛直に蹂躙される。痛みによる悲鳴なのか、恐怖の為の悲鳴なのかも、もう区別がつかなかった。未結自身にも区別ついていなかったろう。ただわかっているのは、別の猿にも貫かれて、今まさに身体の中を、猿の性器が往復しているのだという事だけだった。

腹の中に棍棒を突っ込まれて掻き回されているみたいな衝撃が営々と続く。

「はがっ、あがっ、ぐっ、・・・はくぁっ」

一方、横に退いたケンタは、半ば未結の上半身に覆い被さるようにして手を伸ばし、ノースリーブのシャツの裾をたくし上げ始めた。ブラジャーなどはまだしていない。白い腹にのっぺりとした胸、それにその頂きに、慎ましやかに乗っている小さな乳首が外気にさらされた。

猿の指が、無骨なその形状に似つかわしくない繊細さでしゅるしゅると撫で回す。

ケンタだけじゃなく、ギンジの指もそうなのだが、彼らアイブザルの指先は、爪が擦り切れたようになっていて、ほとんど肉だけだった。それが、本当に擦り切れてこうなったものか、それとももはや遺伝的なものになのか定かではなかったが、この指でそんな風に弄られたら、燃え上がった女体には堪らないほどの気色の良い刺激となるはずだ。そしてそれは、未発達な未結の胸とて、例外ではなかった。

間断のない苦痛の合間合間に、切ないざわめきが胸の先端を起点にして裾野に広がり、無数の放電の軌跡のような細かい感覚の触手が全身の皮膚を駆け巡る。

微かに膨らみかけている雰囲気もあるが、すでに男根を咥え込んでいる下半身の器官に比べると、全然未発達な胸だ。猿の指に嬲られて、狼狽えながらもほんのり乳首を尖らせていく、その様すら、淫靡というよりは、可憐ですらあった。ギンジの肉幹に広げられて、輪を描いているその部分、そしてあどけない顔を苦痛に歪め、快感に戸惑うその様と比べ見ると、ギンジはあまりのギャップの激しさに、これが本当の事とはなかなか思えなかった。

だが、本当の事なのだ。

ギンジが十数回ほど突き込んでから、「へへへ・・・」といやらしく笑って腰を引いた。少女と自分の体液で濡れ光った男根を、ズルズルと引き抜く。

未結は、身体の奥底のビクンとする場所を微かに引っ掻かれて、身体を跳ねさせた。

ケンタが交代する為に、下半身の方に移動する。

極度の緊張から束の間解放されて、茫然と視線を宙に彷徨(さまよ)わせていた未結が、それに気付いて、再び驚き慌てた声を上げた。

「も、もう、ダメ、ダメなの・・あ、あ、もう、ゆる、許して」

自由にならない不規則な呼吸を必死になって操ろうとしながら懇願する少女を、だがしかしケンタは構わず組み敷いて、未結自身の体液に塗(まみ)れたソレで再び少女の身体を貫いた。

「うくっ・・・」

もうあまり、痛みに苦しみ悶えるという事はさすがにないようだ。それでも、ケンタが激しく腰を送り出すと、痛みに耐えかねるように眉間に皺を寄せる。その表情はまるで、小学生とは思えないような淫靡さであった。

替わってギンジが反対側に回り、剥き出しの乳首に顔を寄せていく。

「はひっ」

尖り立った乳首をヌメついた舌で舐め取られ、未結は思わず閉じていた目を開いていた。下腹部の痛みに気をとられて、猿の頭がそこに近付いてくる気配に気付かなかったのだ。

ねろねろと乳首が嬲り回される。道端に引き倒されてこんないやらしい事をされているというのに、ヒクヒクと感じてしまう、その恥ずかしさはどうだろう!下半身を犯される苦痛と違って、それは直に神経を浸食されているような汚辱であった。

唇が一旦離れ、猿の頭が移動する気配がする。

ああ、と未結は嘆息した。もう一方のオッパイも舐められるんだ。未結は観念したようにそう思った。

しかしもう一方の乳首に感じられた感触は、未結の予想とは若干違っていた。

ちゅぷ

「あ」

唾をたっぷりくれた唇が、そのまま淫らな器具となって胸の頂きを包み込む。胸全体がジーンと痺れて、なんだか異様な感じだった。嫌なんだけど、気持ち悪くて凄く嫌なんだけど、ついつい、何だろう、なんと言っていいのかわからない。嫌なだけではない、何かとても気になってしまうような・・・

さっきまで舐められていた方の乳首も、それで解放されたわけではなかった。ケンタと同じように爪のほとんどない指で、クリクリと辱められる。

「いっ、ん・・くぅん・・・んうう、む」

ちゅぱちゅぱ恥ずかしい音を音をたてて吸われながら、中で温かい舌に撫で擦られ、そうして、もう一方を揉み潰されたり上下左右に薙ぎ倒されたりして、苛め抜かれた。

嫌悪しながらも、未結は下半身の痛苦から逃れるようにその甘い汚辱の感覚に気持ちが寄っていこうとするのを、どうする事も出来なかった。

唐突に肉棒が、にゅっと引き抜かれる。

にゅちゅちゅっ

と、未結の中でいやらしい汁音が響いて、未結は急に恥ずかしさを蘇らせた。

「ん、いやっ」と小さな声で呟く。

「ありゃ?まだちょっとしかしてないのに、ずいぶん馴染んできたじゃない。もしかしてもしかして、オナニーのし過ぎなんじゃないの?」

下品な揶揄で少女を辱める。未結に彼らの言葉がわからないのが残念だ。ギンジがその言葉に下劣な笑いを浮かべて応えた。

ケンタが退けると、ギンジが替わって下半身を犯す。ケンタの方は反対に未結の上半身の方に回って、薄い膨らみとその頂点に立つ桜色の小さな突起を嬲り出す。まるで空いたその時間を、未結の身体を弄んで時間潰しするように。摘み、擦り上げ、あるいは舐めしゃぶり、だがしかし、時間潰しとはいっても、思いつくままに繰り出す様々な技巧は、執拗なものだった。異様な熱がこもっていて、偏執的と言ってもいい。

未結の小さな身体は、二匹の猿の獣欲に揉みくちゃにされて激しく波打ったが、それはもはや痛みによるものとは見えなかった。

「この布切れ、邪魔だな。除けちまうぞ」

とギンジ。無意識にケンタの許可を求めるような調子になっている。

別に相手はケンタでなくても良かったのだろう。とにかく誰かに、「いいよ」と言ってもらいたかったのだ。ギンジの中には、未だ人間様を犯すという事に罪悪感があるようだった。

ケンタが「うんうん」と頷いて「とっちゃえとっちゃえ」と答えるのに背中を押され、ギンジはやっと手を伸ばした。その先に、未結の腰に纏わり付いている、薄ピンク色の布切れ、ミニスカートがある。腰回りの所に指を引っ掛けて、事もなげに引っ張ると、ブチンと弾けて紙で出来ているようにビリリと破けた。

「んふぅう」

未結が腰をうねらせて絶望の嗚咽を漏らす。これで未結は、たとえ彼らから解放されても、下半身を隠す物が何もなくなってしまったのだ。

ぬっちゅぬっちゅ、ぬじゅぬじゅ

雄渾な黒い肉棒に捏ね突かれ、少女の肉壺はいつの間にか血ではない透明な粘液を泡噴かせていた。とろとろ溢れてくるのが、攪拌されて細かい泡となっているのだ。少女の恥ずかしい汁音が、未結の我慢しようとする声と絡み合いながら、静かな通りに音高く鳴り響いていた。

もう、絶望して、死んだようになって、じっとしていよう

そう思って身体中から力を抜いて、全てを諦めたつもりになっても、鋭く反応する神経が、ピクンッ、ピクンッと背筋に刺激を送り込み、未結を片時も休ませようとしない。

「へ。へへへ。こいつぁいいや。人間様の雌ガキが、俺様にチンコ突っ込まれて嬉しそうにピクピクしてやがる」

そう言うギンジも、もうかなりキてるらしく、振り回す手が、微かに震えていた。自分の男根が確かに人間様の少女を犯している事を、何度も自分に確認させようとしているみたいに、その結合部分を見詰めている。

「そうとも。ほらほら、ボクらに乳首舐められてこんな勃起させちゃって、雌猿と変わんないくらいいやらしいだろ?」

ケンタが両手の指を使って両方の乳首をクリクリっと少し強めに捏ね繰りながら、ギンジの言葉に応えて言う。

「んぅうう・・うは・・・あ、い、いいっ」

未結は身の置き所のないほど感じて、頭を左右に振った。

痛くなかった。こんなに乱暴にされてるのに、むしろ、気持ち良かった。お腹の中を突き上げられているのも、もう痛みも何もかも一緒クタになって、今は涙が出るほど心地好い。しかし未結には、それがひどく屈辱的に思えて、辛かった。なんだか身体が猿の男根に馴染んできたみたいで。とうとう自分は猿にされてしまったのかと思ってしまう。

そんな未結の胸の内とは裏腹に、身体は確実に雌の反応を示し出していた。

膣壁を脈動するデコボコに擦られる度に甘い電流が走り、反射的にヒクついて締め付ける。ギンジと未結の結合部分のビチョビチョになった内側では、まるで絡み合うような刺激と反応の睦み合いがなされているのだ。

「ああ、全くだ。確かにその通りだよ。なるほど、自分でこーやって犯してみりゃ、確かに人間様だからって別にエラくとも何ともねぇ事がわかるぜ」

ギンジはかなり昂ぶってきているようだった。それを誤魔化すかのように喋り続ける。

だが腰の動きが勝手にスピードアップしているのまでは、誤魔化す事は出来なかった。

「あ、あっ、あ! あっっ、あっ、お、お、ぁ、あ」

わずかな時間の内に性の喜悦を教え込まれた小学生の身体は、ずうんずうんと子宮を突き上げられる衝撃に度に、頭を振って見悶えた。膣壁が淫らな生き物のように蠕動してギンジの肉棒を更に締め付ける。

「おお、おお、すげぇ、すげぇ締め付けやがる、このガキ、締め付けながら、膣内(なか)で・・・あぅ、やべっ、こいつ、やべぇ」

「あ、あ、なに?なに?なんか、なんか・・くるっ、くるっ、だめ、あたま!ヘンになっ・・・!」

未結は絶叫を途切れさせて全身を緊張させた。かと思うと、突然オコリにかかったように痙攣し始める。その、少女の生まれて初めての絶頂の強烈な反応に、ギンジもコントロールを失って、文字通り動物的反応で根元まで貫き通した。

猿の獣欲が爆ぜ、子種が“どくどく”と流し込まれる。

「あちゃ〜、もう?」

ケンタが脳天気な様子で言う。膣口いっぱいに獣の生殖器を咥え込まされた膣口から、猿独特の異様に粘っこい精液を溢れ出させ、瀕死の獣のようにヒクヒクしている未結の凄惨な姿を前にして、その言葉は、あまりにもそぐわない明るさだった。だがその明るさが返って、逆にその場の凄惨さを引き立たせるようでもある。

「はぁー。仕方がねえだろ。こっちは人間様の雌ガキなんて初めてなんだ」

ギンジが断続的に腹筋に力を入れながら答える。輸精管に残っている最後の一滴まで、未結の中に絞り出そうというのだろう。ギンジが腹筋を使う度、まだ硬度を失わない肉棒が、ぐっ、ぐっ、と膨れるらしく、未結もその度に

「あ・・・あ、だめ・・」

と何かを掴もうとするかのように両手を前に伸ばし、小さく喘いだ。

「しかし、さすがというかなんというか、人間様のここの具合がこんなに良いとは思わなかったぜ」

ようやくギンジが引き抜いた。

「うっ・・・」と仰向いたまま力なく脚を開いている少女の股間に、黄味がかった濃厚な精液がこびり付いている。まるで紙粘土で蓋をしたようだ。いわゆる、交尾栓という奴である。

猿の精液は、より確実に自分の子種を雌の胎内に植え付け妊娠させるため、出されるとすぐにゲル状に固まり出して、栓のようになるのだ。これを交尾栓と言う。だが更にその栓を突き破って別の牡が犯し出したりするから、どれほどそれが有効なものなのかは、はなはだ疑問である。

ケンタも、未結の脚の間に腰を進めると、なんの頓着もなくその精液の栓毎、肉杭を未結の中に打ち込んだ。

「あぐうう!」

ただでさえ太すぎる男根が、ゲル状の精液の厚みで割り増しされ、身体の中でメリメリと音をたてる。未結の膣は元の大きさに戻ろうと必死になって喘ぐように蠢き、精液の柔らかい固まり毎、ケンタの男根全体を厳しく締め付けた。そこをムリヤリ引き抜かれる。

「きひいい!」

膣壁にびっしりこびり付いた精液が肉の傘にムリヤリこそぎ取られ、凄まじい快感の衝撃が未結の脳天を突き抜けた。

「ちいっ、妬けるねえ。俺に犯られてんのより、全然良さげだぜ」

とギンジ。ギンジの言う通り、それまでのよりも格段も上をいく激しいよがりようだった。

抜き差しが繰り返されるにつれ、膣内の精液がころころ転がされ、無数の小さな玉になる。それが、男根との窮屈な隙間でゴロゴロ動き回り、未結に予測不能の刺激を生むのだ。 ただでさえ、一度イッた身体は酷く敏感で、どんな刺激でもびくびくいやらしく反応してしまうのに、そこへきてのその刺激はあまりに強烈過ぎた。

ひーひーと呼吸困難になりながら、未結が狂ったように暴れ回る。未結の小さな身体は、さっきイッたばかりだというのに、また再びたちまち昇り詰めようとしているようだった。

ケンタがそれを寸前で止めて、“ずるぅ〜り”と引き抜く。

「くぅ〜ん・・・」と未結か思わず悲しげに鼻を鳴らす。

一緒に掻き出された精液玉が、粘液まみれのヌラヌラした光沢を放ちながら、ポタンポタンとアスファルトに落ちた。

交尾栓はもはや栓ではなく、襞やクリトリスと一緒になって媚肉を飾る、汚らしい縁取りのようだった。その中心に、ぱっくり開いて開きっ放しになった、無残な膣口が見える。横に回ったケンタが太股の内側を撫でながら、乳輪に舌を這わせると、「あ、う、うぅ・・んん」と身震いして、その暗い肉洞から粘液の雫をツーッと垂らした。不意打ちで食らわせられたその刺激に、驚き慌てた様子が、いかにもいたいけで、可愛らしい。

ギンジも反対側に回って、同じように這いつくばり、反対側の乳首に吸い付き、もう一方の太股の敏感な筋を嬲り始めた。

処女を短時間の内にエクスタシーの高みに追い上げた巧みな性の獣が、指技と舌技を駆使して二匹がかりで弄繰(いじく)り回すのであるから、イク事を覚えたばかりの若い肢体は一溜りもなかった。まして、ついさっきまで激しく貫かれて絶頂寸前だったのだ。未結は小刻みに痙攣しながら

「ぎいっ、い、いぐっ」

「ああ゛、また、またいっちゃう゛う゛う゛」

「うあ、ぁ、ぉ、もう、だめっ、あ、あ゛、しぬっ、しぬしぬしぬしぬ・・・っっ!」

瞬く間に二度三度と絶頂を極めさせられた。だが、イッてる最中もイッた後も、ケンタとギンジの舌と指は休みなく未結を責め続ける。

肉襞が物欲しげに空虚を噛み締め、にゅくにゅくと蠢く。何度もイカされるのに、肝心の部分に固くて太いモノが与えられないのが、切なくて堪らなかった。否、それどころか、二匹ともその部分に触ろうともしないのだ。

硬くて太いモノ。

今やそれを思い浮かべるだけで、未結はイッてしまいそうになる。そしていつしか未結の腰も、それを求めて浅ましく上下動するようになっていた。

「おいおい、とうとうこの雌ガキ、腰使いだしやがったぜ」

我慢なんて出来ない。イケばイクほど、この腰全体に満たされない欲求が溜まっていく。

「もう、仕方ないなあ。そんなにコイツが欲しいのー?」

そういって笑いながら、ケンタは未結の腰をしっかりと両手で固定し、脚と脚の間に自らの腰を沈めた。

未結の中心が開花するように沸き立つ。

来た!硬くて太いモノ。

恐ろしいほどの圧迫感が、未結の空虚を埋めつくし、それでも足らず、押し広げる。膣壁を擦られる感触に切なさがドッと蕩け、子宮を押し上げられると、もうそれだけでイッてしまいそうだった。

下半身を突き出して支えている太股が、ブルブルと震える。

だが、イケない。

もう一つという所でイケなかった。

挿入のスピードが、ゆっくり過ぎるのだ。

膨らんだ亀頭。張り詰めた剛直。ビュクッ、ビュクッと脈を打つ、太い血管。それらが、肉襞をひしゃげさせ、膣壁を擦りながら、じり、じり、と侵入してくる。それは、泣きたくなるほどもどかしいものだった。腰を動かそうにも、しっかりと手に掴まれているので、自分から動かす事も出来ない。

その間中ずっと、イクにイケず、鎮めようとも鎮められず、胎内に埋め込まれた肉棒をぎゅうぎゅう締め付けながら、ズズズ、ズズズズ、と微かに動くのを感じるだけの、陰湿な感覚に身内を責め苛まれ続けていた。

そしてそれは、わずか数回抜き差しされただけでズルズル引き抜かれた。わずか数回でも、これだけスローな動きでは結構な時間である。

「ひやああ、ひはああっ、ろ、ろーしてぇ」

涙と鼻水で呂律も回らなくなりながら、未結は無意識の内に懇願の言葉を叫んでいた。また、舌と指で虚しい絶頂に追い込まれるのだ。硬くて太い物を恋焦がれながら。

万力のようなケンタの手から解放された未結の腰は、その間に溜まっていたフラストレーションを一気に爆発させるように、激しくグラインドし始めた。上下動ばかりじゃなく、僅かに回転運動も入っているようだ。

性の喜びを知った小学生の女の子が、真っ赤な顔に涙を一杯溜めてそんな風に淫らに腰をグラインドさせる姿は、なんとも堪らない眺めだった。

「ずいぶん激しいじゃねぇかい。そんなに猿のケンタのチンポがいいのかよ。ああ?」

ケンタが責めている間もずっと乳首を嬲り続けていたギンジが、舌でその乳首を小突き回すようにしながら未結を揶揄する。

「ひあん、らめぇ、らめぇ、いっちゃう、ひっちゃうのぉ」

ぶち込まれている間は気が触れる程のもどかしさに泣かされ、何も入れられてない時は気が触れる程の切なさに身を揉みながら何度も何度もイカされる。

その拷問のような凌辱が、それが何度も繰り返されるのだった。

「どう?人間様の雌を犯るのって。なかなかいーでしょ」

ケンタは、剥き出しにしたクリトリスに夢中で吸い付いているギンジの頭を横に避けてそう言った。

「ああ。ああ、最高だ。ケンタ、おめえは凄ぇ奴だ。認めるよ。話に乗るぜ。この、人間様の雌を犯して回るって話にな」

腰をグラインドさせながら、ガクガクと全身を痙攣させている未結を、ケンタがその暴れる腰をがっしり捕まえてまた貫こうとしている。

もう、何度目の挿入だろうか。またあのいやらしい男根の、いっそ殺して欲しいような、ゆっくりな物狂おしい責めが始まる・・・未結は情けなさにグスグス泣きながら身悶えして思った。

ところが

「うふ、ぅぐ?!・・・んぅぐううぅぅぅぅ・・・!!!」

ずじゅりゅりゅりゅ!

それまでと打って変わった勢いで、ケンタは根元まで一気に責め入ってきた。切ない膣壁が激しく擦られ、子宮が突き上げられる。津波のような快感に押し流され、たった一突きで未結は意識を弾けさせられた。

引き抜かれれば脳髄が“びくんッ”と打ち叩かれたような衝撃を受けてムリヤリ正気に引き戻され、また押し込まれれば、死ぬかとも思うような気持ち良さとともに忘我の彼方に押しやられる。

それもそのはずで、なにしろ未結の膣は今や敏感過ぎる程に敏感になっていて、わずかの刺激にも耐え切れない喜悦を生み出し、もうこれ以上動かないで欲しいと言わんばかりに肉幹にしがみついてしまうのだ。のみならず、その隙間で未だごろごろ転がり続ける精液玉は、イボマラもかくやという程の破壊力をもって未結の理性をこそぎ取り、硬さ太さエラの張り具合と相俟(あいま)って、この世の物とも思えない快感を生ぜしめる。

いかにも獣らしい激しいピストン運動で突き回され、未結はその一突き毎に絶頂を極めさせられ、その度に「あひーはひー」と悲鳴を上げさせられた。

それはまさに一撃必殺。それの止む事なき連打であった。未結の身体がどうする事も出来ずに右に左にピチピチと跳ね回る。

ケンタはいよいよピッチを上げた。鼻が膨らんでいる。肉筒の厳しい締め付けの中で、一際大きく血脈がドクドクと鳴り響いた。亀頭が興奮したように膨れ上がり、肉幹が“むりむり”と太さを増す。

「さあ、さあいくぞ。猿と人間様の子だ!しっかり孕めよおお」

根元まで埋め込んで、亀頭の先端を未結の子宮口にしっかりと押し付けた。逃げようもなく、子宮口が僅かに抉じ開けられる。

どびゅっ。びゅるるるる

「かひいっ!ひきいいいぃぃぃ!!」

未結は白目を剥いて仰け反った。噴出の勢いが、未結の最奥を打ち叩き、大量の精液が未発達な子宮内に直接注ぎ込まれる。

どっぷどっぷどっぷ

瞬く間に溢れ帰り、逆流しようとする。だが、未結のその部分はケンタの、今なお衰えぬ猛(たけ)り立ったモノで栓をされていた。それは、今更ながらだが、小学生の身にはあまりにも大き過ぎるモノだ。しかも、その栓を自らの締め付けで密閉し、おまけにギンジの残した交尾栓の残骸で目張りまで入れられているのだ。一滴といえど外に漏れ出るはずもない。お腹がポコンと膨れて、本当に孕ませられたかのように見えた。壊れてしまうのではないかと心配になってしまう。未結の小さな身体は、貫かれたまま、口から泡を吹き、感電したようにガクガクと震えて止まらなくなった。

しばらくそのまま、あたかも着床するのを待つかのように、ケンタはしばらくそのままで未結の胎内に出し続けていたが、やがてようやく納得した表情を見せて、身体を離した。

「ひぐっ」

ぶりゅっ、びゅぶぶぶ

引き抜かれる衝撃で、未結の身体が一際大きく反応し、栓を抜かれた所から、モッツァレラチーズの如き粘性の強い精液が、下品な音をたてて勢いよく噴き出した。その噴出の勢いが、そのまま未結の子宮内に流し込まれた精液の、内圧の強さを物語っている。

「あ〜あ。あんまり良すぎて失神しちゃったかなあ?」

未結は魂の抜けた表情を貼り付かせ、凌辱された格好のまま固まっていた。瞼を閉じる事すらない。ただ引き抜かれた後も、少女の身体は痙攣し続け、いっかな収まる気配もなかった。

ギンジが“のそり”と移動して、その震え続ける華奢な膝を掴まえる。

股間のモノはいつの間にか見事に回復し、熱い欲望を漲(みなぎ)らせてそそり立っていた。

「あれ?またするの?イクのも早かったけど、回復力も凄いねえ。さすが山猿の群れを率いるギンジ親分。でも、他の奴らにも犯らせてやった方がいいんじゃないの?」

「ふん。そいつは俺がもう一発犯ってからだ」

とギンジは薄く笑って言った。

「へへへ。さっきは初めて人間様の雌ガキを犯れるってんで、ちっとばかし興奮し過ぎちまったがな。だが、今度はさっきみたいにはいかねえぞ」

「ヒギイイイイイっっ」

豚の鳴き声のような悲鳴が、真昼の街路に響き渡った。

それは、無明の闇にあった未結の意識が、再び悪夢のような快楽地獄に強制的に連れ戻された事を示していた。



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