第6章


与志子は踏み倒した草の上に顔を押し付け、弓反りに成る様に双臀を高く掲げていた。

与志子の腰の辺りを鷲掴みにしていた黒い掌に力が入った。

染み一つ無い、与志子の白い双臀に最後の一突きを力強く打ち付けると、オスカーは唸り声を上げ獣液を吐き出した。

与志子の双臀に強く恥骨を押し付け、膣の中にぶち撒く様にドクッ、ドクッと吐き出した。

子宮口は逞しい野生の精を欲しがり、一滴残らず飲み干す勢いで飲み込んでいく。

「ああ・・ッ」

与志子は至福の笑みを浮かべ、愛しい物を収めた事を確認するかの様に、片方の掌で下腹部を擦った。

媚裂の主が最後の一滴をタラリと吐き出して、満足して去ろうとする。

与志子は下腹部を擦っていた掌で、搾り取るように睾丸の裏側から肉棒の先端に残った獣液を搾った。

与志子から離れたオスカーは、力を出し尽くしたかのように、その場にヘナへナっと腰を落とした。

与志子は双臀を高く掲げたままの姿勢で居た。

オスカーの目の前にある媚裂は、先程までの甘美な交尾を物語る様にパックリと、だらしなく開き切っていた。

溢れた愛液で周りはベチャベチャに濡れ、オスカーの抜け毛が数本張り付いていた。

与志子は想像した。

今、私の子宮の中で無数のオスカーの子種が、一粒の私と受精しようと取り囲む。

私に群がり、突き合って我先に受精しようとしている。

そして、一番強靭な子種が殻を破って私の中へ入ってきた。

私は喜んでその者と交配した。

オスカーの子供が生みたい。

逞しい子孫を残そうとする女としての本能が与志子を支配した。


「はあ〜ッ」

与志子は小さく息を吐くと、満足した顔で仰向けに寝返った。

木々の間から、亜熱帯特有の青い空と入道雲が見えた。

(11月だと言うのに入道雲なんて)

横になって暫くすると、静寂の中にある音に気付いた。

バシャバシャと水面を叩くような音。

少しの雑音でも聞き取れないくらい小さな音であった。

与志子は上体を起こし、音のする方を見た。

膣の最奥から生暖かい獣液がツツーッと下がってくるのを感じた。

媚裂の割れ目辺りで塊が出来ていくのが解った。

水着を手に取ると、ゆっくりと立ち上がった。

「ねえ、行こう。」

与志子はオスカーの手を握り、音のする方に歩み出した。

生暖かい獣液が膣の中を充分に満していることを感じ取った。

雑草を掻き分け進み、立ち止まっては音の方向を確認して進む。

暫く進むと、視界が急に開けた。

森の中に突如現れた直径30m程の沼、というか池。

水は限りなく透明で透き通っている。

向こう側に高さ2m、幅30cm程の滝があった。

音の正体はこの滝の水が水面を叩く音であった。

所々から染み出た山頂の火山湖の湧き水が一つに纏まり、この滝になっていた。

小山達は雑草を踏み倒す音と、与志子を探し出す事に集中した為、この滝の音を聞き逃していた。

与志子が池の淵を歩いていると、池の中から森の中へと伸びる塩化ビニール製のパイプを数本見つけた。

このパイプが下の集落へと続いている。

「ここが、本当の水源池なんだわ」

与志子はオスカーの手を引いて、池の中へ入って行った。

「はあ〜、気持ち良いわ。」

与志子達は腰の深さまで池の中に進むみ、水を掛け合ったりして、ジャレて時間を過ごした。


オスカーと与志子が皆の所へ帰ってきたのは、すでに日が暮れかけていた。

「何処へ行っていたんですか?」

「皆で散々探し回りましたヨ」

田中が真顔で聞いた。

「ごめんなさい。」

「森の中を走り回ったら、分からなくなったみたいなの」

与志子は頭を下げて謝った。

「まあ、帰ってこられたから、よかったじゃないか。」

小山が田中の肩をポンと叩いた。

「ごめんなさい。」

与志子はまた頭を下げた。

「でも、何で逃げ出したんだろう?」

加藤が言い出した。

「・・・多分・・まだ皆さんの事を信じていないんだと思う」

与志子は申し訳無さそうに言った。

「結構、皆に馴れたと思っていたのになぁ・・・」

「・・・・・・・・・・」

全員沈黙

「さあ、晩飯にしようぜ」

小山が手をパンパンと叩いた。


食事を済ませ、与志子がテント中で寝る準備をしていると、小山が外から声を掛けてきた。

「与志子さん、話があるんだ、その・・・入っても良いかな?」

「どうぞ」小山は入り口のファスナーに手を掛けた。

ジジーッと入り口の網を開けて、テントの中に顔を入れた。

「うわッ」

突然、闇に紛れて巨体が視界の中に入ってきたので、小山は驚いて尻餅をついた。

「あははっ、オスカーよ」

与志子が笑いながら教えてくれた。

「なんだ、オスカーか、びっくりするじゃないか」

小山はやれやれという顔をしてテントの中に顔を入れると、ウーッとオスカーが唸って威嚇した。

小山は急いでテントから顔を出した。

オスカーは与志子は自分のものだと主張しているみたいであった。

「ボディーガードよ、変な者が中に入ってくるから」

笑いながら与志子はオスカーを手で制した。

「ところで話って?」

与志子が尋ねた。

「ん・・今日の失敗を皆で話し合ったんだが、オスカーに信用されるように明日から皆で世話をすることに決めたんだ。」

「だから、餌も俺達がやるよ。」

「オスカーが俺達を信頼するのに何日かかるか解らないでけどね」

「それと、撮影も当分の間、他愛もないシーンだけサ。」

小山が言った。

「OK、早く馴れるといいわね。」

与志子はニコッとした。

「それとその変な奴の事だけど、撮影は失敗したと言ったら怒っちまってな」

「俺は忙しい身なんだ。と言って、明日、一旦帰るそうだ」

小山が星空を見上げながら言った。

「じゃ、私達はここに置いてけぼりなの」

与志子が尋ねた。

「いや、クルーザーは、父島でおっさんを降ろしてこっちに来るそうだ」

小山が薄ら笑いを浮かべた。

「クルーザーが帰りにバッテリーと燃料を買ってくるから、運が良ければ明日からは別荘のベッドで寝れるよ」

「下にあった別荘の事?」

与志子は小山に聞いた。

「ああ」

小山は短く返事をした。

「そういう事だ。じゃ、おやすみ」

小山は入り口のファスナーを閉め始めた。

「小山さんは、私を口説かないの?」

与志子は冗談で言った。

「俺は、淡白な方だからな、抜いたらスケベ心が無くなっちまうんだ。」

「撮影が終わるまで、溜めとくのさ。」

小山は笑いながら答えた。


翌朝から、小山達はオスカーの世話を精力的に皆で始めた。

10日後、その介あってか、今ではオスカーは小山達に警戒心を解き、オスカー自ら小山達の傍に寄るようになっていた。

もう良いだろうと思い、午後から与志子と食事のシーンを撮り終え、今はオスカーが椰子の実を取るシーンを撮影していた時であった。

モニター越しに映像を見つめる小山の隣に与志子は居た。

顔を近づけて二人は、モニターを食い入るように見ている。

小山がモニターを指差し与志子に話しかけると、与志子が笑った。

それを見ていたオスカーは、怒りの喚き声を上げ、まるで滑り落ちるかのようなスピードで、椰子の木から降りて来た。

猛スピードで小山達に向かって来た。

小山達はオスカーの怒りの形相に圧倒され、2,3歩退きながら身構えた。

オスカーは与志子を抱き寄せ、小山達に牙を剥いて威嚇した。

「よ、止せよ。」

「オスカー、俺達は何もしない。」

小山達は両掌を胸の高さくらいまでに上げて、無抵抗の仕草をした。

「馬鹿ね、あんた妬いてんの?」

「ふふッ、可愛いわね」

与志子は笑いながら、オスカーの頭を撫でた。

オスカーは、まだ牙を剥き小山達を、睨みつけている。

まるで、「俺の牝に手を出すな」と、言わんばかりの形相であった。

「参ったなぁ」

「随分慣れたと思ってたのになぁ」

小山達は皆、落胆した。

「与志子さん、もう一度オスカーを木に登らせてくれないか」

小山は困惑した顔で与志子に頼んだ。

与志子はオスカーを連れて椰子の木の傍へ行き、オスカーにもう一度木の登るように言い聞かせた。

オスカーは与志子の方を何度も振り返りながら、仕方なさそうにノソノソと上って行った。

与志子は椰子の木から少し離れた所でオスカーを見ていた。

すると、途中まで登っていたオスカーが、ゆっくりと椰子の木から降り始めた。

「????」

それを見ていた小山達や、与志子も訳が解らず、ポカンとしてオスカーの行動を見ている。

木から降りたオスカーは、訳が解らずキョトンとしている与志子の傍に来た。

すると、片腕を与志子の臀部に廻し、ゆっくりと抱き上げた。

与志子は倒れそうになったので、オスカーの首に腕を廻して抱きついた。

オスカーは小山達をひと睨みすると、眼で威嚇した。

そして、与志子を抱き上げたまま、ゆっくりと森の方へ動き始めた。

時々、振り返っては、小山達を鋭い眼光で威嚇して、小山達をその場に釘付けにしていた。

与志子はオスカーの肩越しに遠ざかってゆく小山達を見ていた。

与志子はこのオスカーの行動を諌めようとは思わなかった。

むしろ、「自分の牝だ。」と、主張してくれた事が嬉しかった。

与志子は不思議に思った。

すごく鬱陶しくって嫌な奴と思っていたオスカーが、今ではこんなにも愛しい存在になっていることに。

やがて与志子とオスカーは、呆然と立ち竦む小山達を残して、森の奥へと消えて行った。

「フーッ・・・参ったなぁ、あの眼力には。」

小山達はオスカーを前に成す術も無かった。

ただ、じっとして、オスカーが与志子をさらって行くところを見届けるのが精一杯であった。

「やっぱり、野生って感じですよねぇ」

大竹がホッとした顔で言った。

「同じオランウータンでも、章吉とは顔付きがぜんぜん違うもの」

田中が首を横に振りながら言った。


オスカーは、与志子を水源池の畔で降ろした。

与志子はパレオを解くと、甘えるようにオスカーに身を寄せる。

オスカーが与志子を抱き寄せる。

ここの水源池発見以来、毎日のように与志子とオスカーは、ここでじゃれ合い、そして交尾をして一日を過ごしていた。

最近、与志子自身は判っていないが、与志子の媚裂は牡を誘う匂いを強く放っていた。

オスカーはその匂いを素早く嗅ぎ取っていたのである。

また、与志子も子宮が牡を求めるのか、「さかり」が付いたようにオスカーを求め、交尾に明け暮れた。


オスカーは豊満な与志子の乳房を水着の上から撫で回し始めた。

「もう、しょうがない子ね」

与志子は片掌でオスカーの股間を優しく弄り始めた。

すでにオスカーの肉棒は硬く、いきり立つように天を向いていた。

オスカーが与志子の背中のビキニトップの紐を引くと、ぷるッと形の良い弾力のある乳房があらわになった。

オスカーは舌を絡めながら乳首を強く吸い始めた。

「んああッ」与志子は甘い声をあげた。

与志子がビキニのボトムの紐を解く。

股間のOrangutan Onlyの刺青が艶やかに見えた。

オスカーはゴツゴツした指で、与志子の媚裂の割れ目をなぞり上げ、女芯をクリクリと弄ぶ。

「ううッ」と、与志子が呻き声を上げて、媚裂が愛液で潤い始めた。

与志子は、腰を妖しくくねらせる。

オスカーは女芯をいじる事で与志子が悦ぶことを知っていた。

潤んだ媚裂の裂目の中に、ゆっくりと黒くゴツゴツとした太い人指し指を出し入れし、親指で女芯をもてあそぶ。

与志子は切なげな声を上げ、腰を妖しくくねらせる。

暫くすると、与志子は力なく背中を草むらにつけ、仰向けになった。

オスカーが与志子の内腿をM字型に開くとOrangutn Onlyの⇒矢印の指す秘所へと顔を埋めてゆく。

オスカーの長い舌が与志子の媚裂の中を嘗め回す。

「ああッ・・」与志子は悦楽の表情でオスカーの頭を優しく撫で回した。


夕方、与志子とオスカーは何事も無かったように、小山達の所へ帰ってきた。

「やあ、お帰り」小山達も平静を装った。

「小山さん、私、明日から1週間ほど帰っても良いかしら?」

与志子が小山の顔を覗き込むように言った。

「エッ」

小山は次の言葉が出なかった。

「どうしても、やっておかなければいけないことが出来たの」

「お願い。」与志子は両手を合わせて、頼んだ。

「ん〜、今日の様子じゃ、まだ肝心な所は撮れそうにないからなぁ・・・・いいよ」

小山は無精髭が生えたあごを擦りながらOKをした。

「まッ、君がいない間、俺達がオスカーを手懐けておくさ」

「ところでどうしたの急に?」

小山は怪訝そうな顔をして聞いた。

「やっておきたいことが出来たのよ」

与志子は遠くを見詰めていった。


翌朝、与志子はオスカーに気付かれないようにクルーザーで島を出た。



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