いつかは国会図書館へ行こう、と思っていた。国会図書館には、過去に出版されたすべての出版物が収められていることになっている。実際に掛け値無しに全出版物があるのかどうかは知らないが、ともかく日本最大の図書館であることは間違いない。
栗田勇午のコミックスは、現在のところ2冊が出版されている。「NO DOG, NO LIFE」と「ずーふぃりあ・しんどろーむ」だ。しかしこの2冊のどちらにも、デビュー作である「Sweet revenge」は収録されていない。この作品がなぜいまだにコミックス未収録なのかはわからない。「NO DOG, NO LIFE」は最初の単行本なのでリスク回避という意味で堅実な作品のみ収録となったのかも知れない。が、それなら2冊目の「ずーふぃりあ・しんどろーむ」に収録されても良さそうなものだ。実際、「ずーふぃりあ・しんどろーむ」には描き下ろしで「ソナちネ 外伝」が収録されている。本来はここに1話分の空きがあった、と見るのは深読みしすぎだろうか。
「Sweet revenge」が掲載されたのは、2001年06月(それとも05月?)の「アイラ VOL.8」である。すでに5年ちかく前の雑誌で、古本屋さんに行ってもそうそう見つかるとは思えない。だいたいにして、古本屋さんの雑誌バックナンバーは品揃えが少ない。置いてある雑誌の種類も少ないし、時間軸で見ても現在から1〜2年程度のものくらいだろう。いや、古本屋さんによってはもっと充実しているかも知れないが、私が知っている範囲の古本屋さんでは、その程度なのだ。
コミックスにも収録されておらず、雑誌のバックナンバーを入手することも困難となれば、あとはその雑誌の所有者に見せてもらうしかない。つまりそれが、全出版物を所蔵しているという触れ込みの国会図書館なわけだ。
国会図書館は、基本的には誰でも利用できる。館内での写真撮影とかは禁止らしいが、頼めば本のコピーを取ることも可能だ。ただし全内容をコピーすることは禁止、内容の一部のみコピー可だそうだ。雑誌については、収録作品の1つ(この場合は「Sweet revenge」)の全ページをコピーすることが許されるのかどうか、私は知らない。しかし例え全ページ不可であっても、「表紙扉ページだけ除いてコピー」とか、「今回は前半分だけコピー、後日再訪問して後半分をコピー」とか、まあ小賢しい手はいくつか思いつく。
その他にも、国会図書館とはどういうところなのか、どんな雰囲気の場所で、どんな人たちが来ていて、利用する際の手続きが実際にどんな感じなのか、といった諸々の事柄を自分で観察できるわけで、こりゃやっぱ行くしかないでしょ、ということなのである。
そんなわけで「いつかは国会図書館」な私だが、このたびついに「アイラ VOL.8」を某古本屋さんで入手した。
文章がなんか変かな? とにかく思いもかけず雑誌バックナンバーが手に入ってしまったのだよ、少年探偵団の諸君。かれこれ1年半がかりで高めてきたこのモチベーションを、いったいどうしてくれるっ!! 八つ当たりするようなシチュエーションでは無いことは分かってるが、密かに高めてきたこの想いをいったいどこに持って行けと言うのだ。くそぅ。
ちなみに肝心の「Sweet revenge」だが、栗田作品には珍しく強姦系の話だった(後半は和姦で輪姦だが)。
これ、倫理規定に引っかかるほどヤバい作品にも思えないし、本当にいったいなんでまだ未収録なんだろ? ん〜、冒頭の生首くわえた野良犬がヤバいかな? 生首だけ修正・削除すれば済むような……。いや、倫理的な問題とは限らないわけだが。
絵柄の変化も今は昔の感があるなあ。