前回の続き……の前に、ひとこと言いたい。直前になって休日出勤要求すんなゴルァ!! こっちにも予定とか心構えってもんがあるんじゃああ!! って言うより、俺が出てんのにお前が休んでるってのは何じゃそりゃあ!! はぁはぁ。
こんなハァハァは要らない。
文体覚え書き・その２。
文体の縛り(?)で行っている事には、「である禁止」の他には「過去形禁止」というのもある。過去形で書くと、文末がほとんど「〜した」「〜だった」みたいになってしまう。文が必ず「た」で終わるというのは、何かリズムをとるためにあえてやってるとかいうのならともかく、普通の文章では文が単調な感じになってしまうので避けたい。私に限らず、たぶん文章を書く人のほとんどは何らかの過去形対策を行っているだろうと思う。
もっとも、いくら「過去形禁止」と言っても、全ての文で過去形を避けるのは不可能だ。せいぜい半分くらいに抑えるのが関の山。私の場合は、過去形の文を書いたら、次の文は非過去形で、くらいがやっとのところ。
ま、過去形も悪いとこばっかじゃないけどね。たとえば過去形の文を連続させると、なんとなく背景描写っぽくなる。過去形だから動きが無くて、「固定された情景」という感じが出る。出ると思う。思いませんか。とりあえず参考資料として、「加代の物語」の導入部はどうだろう。第一章ではほとんどが過去形。特に最初の「◆◆◆」までは過去形 100% という状態。その後、第二章に入ってちょっとづつ現在形などが増えていくが、文末をひねるのに苦労している様子がまる分かりでしまった例に出すんじゃなかったようがぁああああ……。
ひとくちに「過去形禁止」と言っても、じゃあどうやって過去形を避けるのか、という問題がある。私の対策は、だいたいこんな感じ。
もちろんこれ以外にもいろいろ方法はある。私はあまりやらないが、体言止め（文の終わりを名詞にする）という方法もある。あと、文の途中で無理矢理ぶった切ってしまうとか。「とか」で終わるのは実はぶった切りの一例だが。
効果を検証するために、文例をでっち上げてみよう。
馬のそれは、とんでもなく巨大だった。それが無理矢理に私の中に挿入ってきた。馬が気持ちよさそうに、いなないた。
馬のそれは、とんでもなく巨大なのだ。それが無理矢理に私の中に挿入ってきている。馬がいななく。気持ちよいのだろうか。
あれ？ どっちもそれなりに趣きがあるなあ。……どうしよう？
まてまて、検証するポイントを間違えているぞ。問題なのは、「過去形が連続すると文章が単調になる」という点のはずだ。上記２つの文を比べて、どっちがより単調な感じがするかを検証するべきだ。趣きが有るとか無いとかは、とりあえずどうでもよろしい。
うーん、私の理屈で言うと上の文のほうがより単調なはずなんだが……どうかなあ。フィーリングで判断するしかないけど、そういう感覚って十人十色で百人百様だから、断定するのは難しいし。
あえて言うと、下の文は一文ごとに変化がある、と言えるかな。変化がありすぎてかえって落ち着かない感じがするくらいだ。文のどれか１つを過去形にすればちょうど良いかも知れない。ってより、文末に変化を付けるのが目的なんだから、１つだけなら過去形が混じっててもＯＫだったんじゃん!! うむぅ、木を見て森を見なかった私。○|￣|＿
ま、過去形対策なんて誰でもやることだし、わざわざ書くほどのことでも無かったか。「である調」「過去形」以外で気にしている点と言えば、他には漢字とひらがなの割合とか。例文の「いななく」は「嘶く」と書くべきかどうか、ちょっと悩んだ。読めない人が居そうだったのでひらがなにして、「気持ちよさそうにいなないた」→「気持ちよさそうに、いなないた」と途中に読点を入れることにしたが、これはこれで読点が邪魔かも知れない。あちらを勃てればこちらが勃たず。字が違うよ。いや勃てるのは基本ですから。
それにしても文章を書くってのは、どうしてこうも枝葉の部分で頭を使わねばならんのか。そりゃあ「神は細部に宿る」とは言うけどさ。それは不適当な用法なんじゃないのか。
そう言えば受験シーズンだな。
筆者は「過去形の文を連続すると背景描写という演出になる」と言っています。では、過去形を少なくした文ではどのような演出になるのか、20字以内で説明しなさい。（５点）
筆者は「私はあまりやらないが」と言いつつ、今日の文章では体言止めを使っている箇所があります。体言止めになっている文の数を答えなさい。（３点）
本文中の例文は、ある特殊で変態的な状況を描写した文章の一部です。例文のどちらか一方を用いて、その文章をあなたなりに再現しなさい。ただし再現した文章は100字〜500字の長さとします。（卒業）
明日から超忙しいので、更新は当分おあずけ。普通に寝れるかなあ。