あたしは……イワオが、好き。


イワオが嫁を取るなんて、考えてもみなかった。嫁を取らないにしても、どこかの牝馬相手に種付けするのは確実だ。イワオには、ちゃんとしたあてがあるんだ。

あたしなんか、必要なかったんだろうか。


ここで泣いてもしかたがない。でも、もしあたしがイワオには要らないものなら。あたし、どうしたらいいんだろう。


イワオに好いてもらえるのなら、あたしはどんなふうにされてもいい。いっしょに寝て、いっしょに食べて、いっしょに畑に出て……いつでもいっしょにいて、イワオの望むことは何でもしてあげる。

でも、いらないなら、いらないなら……いえ、大事なのはひとつだけ。イワオには、幸せになってほしい。